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埼玉の「タウ」、警察と協定 損害車を救助訓練用に提供

 さいたま市の事故車買い取り会社「タウ」が、埼玉県警大宮署と協定を結び、壊れた車を救助訓練用に提供している。地震や台風で被災した車の再利用も手掛ける宮本明岳社長(54)が、災害対応に貢献したいと提案。車体を破壊して中に入るといった実践的な訓練が可能になった。

 2月中旬、大宮署の敷地内で実施された訓練。車の窓ガラスをハンマーでたたき割る音が響き、意識不明の運転者に見立てた人形を署員が素早く外に出し。署の藤島庸正警備課長は「細かい状況を想定した訓練が、実際の現場でも生きてくる」と語った。

 同社は1997年に設立。事故や災害で動かなくなった「損害車」を買い取り、オークションで販売する事業を展開する。2011年の東日本大震災、19年の台風19号など、災害に遭った車両を扱う機会が年々増え、過去3年間で約2万5000台を引き取った。

 災害が収まってから現地入りし、社員とともに被災車両を見て回る宮本社長。壊れた車を処分し現金化することで、持ち主から感謝されることもあるが、災害後にしか動けない歯がゆさを感じていた。もっと役に立ちたいと考え、交流のある大宮署に相談したという。

 協定では、災害時に署が簡略な手続きで放置車両をレッカー移動し、同社の置き場に運ぶ仕組みも整えた。パトカーや消防車の通行を妨げないようにする狙いだ。

 警察だけでなく、過去に台風や地震で大きな被害を受けた自治体との連携も模索する宮本社長。「使えなくなった車が人命救助につながれば」と話している。

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