海外情勢

Qアノン、暴力闘争の恐れ 米FBIが議員に警告

 【ワシントン=大内清】米連邦捜査局(FBI)は15日までに、「Qアノン」と呼ばれるオンライン上の陰謀論集団が、敵視の対象である与党・民主党などの政治家らに対して現実に暴力的な闘争を展開する恐れがあるとする報告書の機密指定を一部解除し、連邦議員らに警戒を促した。

 Qアノンは、政官財界のエリートからなる「ディープステート(闇の政府)」が世界を操っているなどと主張するネット上の正体不明の人物「Q」を信奉する人々。昨年11月の大統領選で敗れたトランプ前大統領が闇の政府と戦う指導者であり、いずれは同氏の下で世界に大変革が起きると信じる者も多い。今年1月6日に起きた連邦議会議事堂襲撃事件での逮捕者にもQアノンが多数含まれていた。

 FBIは機密解除された報告書で、これまでは「デジタル戦士」として陰謀論を拡散させていた一部の信奉者が、Qの予言した事態の到来をただ待つのではなく、自らの手で実現させるために暴力による実力行使に出る可能性を指摘。その場合、「民主党やその他の政治的対立者」が攻撃対象になる恐れがあると警告した。

 一方でFBIは、Qアノンの一部には、トランプ氏の落選とバイデン政権の発足という現実を受けて、陰謀論を拡散する運動から足を洗う者も出てくるだろうと予測している。

 報告書は、民主党上院議員の要請で一部の機密指定が解除された。

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