海外情勢

海外メディア、五輪センターに続々 中国も存在感

 東京五輪開幕が23日に迫り、東京都江東区の国際展示場「東京ビッグサイト」に設けられたメインプレスセンター(MPC)に世界各地のメディアが集まっている。新型コロナウイルス流行で取材に不自由はあるが、熱戦を伝えようと意気込んでいる。

 東京五輪では世界から約2千媒体が取材登録。約200カ国・地域から記者やカメラマンら約4600人、放送関係者約1万1900人が選手の活躍を世界に発信することになる。

 取材拠点となるMPCでは、来年2月に北京冬季五輪を開催する中国が大勢のスタッフを派遣し、目立つ存在となっている。

 「MPCに設けたオフィスで約130人のスタッフが働く。中国には多くのスポーツファンがいる」

 中国国営新華社通信の男性スタッフは大規模取材チームの派遣について、こう語った。MPCの新華社用ブースは、世界大手の米AP通信や英ロイター通信に匹敵する広さだ。男性は「AP、ロイター、仏AFPと並ぶ世界4大通信社の一つだ」と息まく。

 中国の習近平政権は東京五輪の開催を積極的に支持してきた。東京五輪が失敗すれば、北京五輪も危うくなりかねないとの思惑も見え隠れする。

 先週末のMPCでは、グッズ売り場に中国のメディア関係者が殺到した。新型コロナ流行前に日本で見られた「爆買い」をほうふつもさせた。

 一方、記者らは感染防止のため、大会関係者らの行動規範を定めた「プレーブック」で取材活動が制限されている。

 外国メディアは、日本への出国前に2回の検査で陰性確認が必要で、入国後も14日間は公共交通機関を使用できない。日本メディアも含め定期的に感染検査を受け、選手とは2メートルの距離を保つことなどが求められている。取材人数も制限され、過去の五輪のような取材はできない。

 ドイツ大衆紙ビルトの記者は「(自国の)ワクチン接種証明が使えず、規則の対応が複雑」と当惑しながらも、感染対策には理解を示す。「東京の街中に人がほとんどいない」と、日本の対策に驚いたという。

 カナダのカメラマンは「MPCには問い合わせに応じてくれる『ヘルプデスク』やコロナの検査場などがあり、使いやすい」と評価。「無観客になったことは悲しいが、日本の人々には五輪を通して幸せを感じてほしい」と訴えた。

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