国内

東京都のコロナ新規感染、過去最多の2848人 政府の対策手詰まり

 東京都の27日の新型コロナウイルス新規感染者数が過去最多の2848人となった。政府が東京都に12日から緊急事態宣言を発令して2週間以上が経過したが、感染力が強いインド型変異株(デルタ株)の蔓延(まんえん)もあり、効果が表れる兆しはない。対策は手詰まりに陥っており、ワクチン効果と、危機感を背景にした国民の行動変容に期待するしかない状況だ。

 「国民の皆さんにおかれては、不要不急の外出は避け、五輪はテレビなどで観戦してほしい」

 菅義偉首相は27日、記者団にこう語り、外出自粛を重ねて呼びかけた。「おかげさまで人流は減少している」とも述べたが、感染減という効果にはつながっていない。

 対策の柱である飲食店の酒類制限も行き詰まりが明瞭だ。田村憲久厚生労働相は27日、記者団に「要請に応じずアルコールを出している店が散見される」として改めて協力を求めたが、金融機関や酒販事業者を通じた「働きかけ」方針が猛反発で撤回に追い込まれた一件もあり、協力は得られにくくなっている。政府関係者からは「もう打つ手がない」との声も漏れる。

 宣言に準じた蔓延防止等重点措置を適用中の首都圏3県でも感染拡大が続いており、病床使用率の指標は最も深刻な「ステージ4」に迫る。政府は宣言への移行を含め対応を迫られているが、「重症者は減っている」(政権幹部)と否定的な見方もなお強い。

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