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“逆輸入サーファー”五十嵐が銀メダル 日本代表への強い思い

 サーフィン男子は27日、五十嵐カノア(木下グループ)が銀メダルを獲得した。

 台風の接近で刻一刻と変化する気まぐれな波。サーフィン男子の五十嵐は決勝で良い波をつかまえきれず、敗れた。「準備ができていても波に乗らないと点数が出ない。自分にチャンスが与えられなかったことが、ちょっと悔しい」。時折、言葉を詰まらせながら、唇をかみしめた。

 米国生まれの米国育ちで両親はともに日本人。日の丸を背負うことは2016年にサーフィンが五輪に採用される前から決めていた。同年から、プロ最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)に日本人として初めて本格参戦した。「今、誰も(CTに)日本人がいないんだよ。俺が(日本人として)入らないでどうするの」。この言葉に父、勉さんは「米国で頑張って生活してきた。米国チームに入るのがカッコいいと思っていた」と驚いたという。五十嵐は「日本のサーフィンが世界トップレベルになることが夢。ジュニア世代のためにも、自分が日本人としてCTに入れば、モチベーションになる」と決意は固かった。

 東京五輪でサーフィンの実施が決まると、金メダルが目標になった。毎日、朝起きてから寝るまで、勝つための準備を重ねた。食事の時も、携帯電話を操作しているときも「どうしたら『金』に近づけるか」を考え抜いた。重圧で眠れない日々もあった。「世界で一番すごいスポーツのイベント。日本のために金メダルを取りたい」

 一日で決勝までの3試合を戦った。準々決勝では波のトンネルをくぐる高難度の「チューブ」を成功。準決勝では空中に飛び出し、板を回転させながら着水する「エアリバース」を決めて9・33点をマークし、存在感を示した。

 望んでいた一番輝くメダルには手が届かなかったが、この日の試合を見て、競技を始める子供たちもいるだろう。「サーフィンを日本でも人気のスポーツにしたい」。日本のサーファー界にもたらしたメダルの価値は色あせない。(神田さやか)

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