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与党が政府のコロナ対応に危機感 五輪効果も追い風ならず?

 衆院選を目前に控え、与党が政府の新型コロナウイルス対応に危機感を強めている。政府・与党は28日、新型コロナをめぐる連絡会議の初会合を開き、実務者による会議体の設置を決めたが、与党からは政府に対する注文が相次いだ。東京都の1日当たりの新規感染者数が過去最多となる中、東京五輪・パラリンピックが菅義偉(すが・よしひで)政権の追い風になるとも言い切れず、与党には焦りが募っている。

 初会合には、政府から加藤勝信官房長官、西村康稔経済再生担当相、田村憲久厚生労働相、河野太郎ワクチン担当相とコロナ対策の中核を担う閣僚が出席した。与党からは自民党の二階俊博幹事長や公明党の石井啓一幹事長、自公の政調会長や参院幹事長、衆参国対委員長らが顔をそろえた。

 与党には、政府の新型コロナ対応に国民の不満が高まり、内閣支持率が低迷している現状を打開したい思いがある。二階氏は会合で「政府・与党が連携を密にしていくことが重要だ」と強調。酒類提供停止に応じない飲食店への対応をめぐる発言で批判された西村氏が「迷惑をかけた。申し訳ない」と謝罪する場面もあった。

 石井氏はワクチン接種について「国民が多くのフラストレーションを持っている」と指摘。「予約がストップし、国民はいつ打てるか分からないとの不満を抱えている。自治体は急げといわれて接種体制を整備したのに供給が減り、はしごが外された」とも述べ、政府に丁寧な説明を求めた。

 公明側は感染が拡大傾向にある東京などの人流抑制策や、飲食店をはじめとする事業者や生活者への追加的な支援なども要求した。

 自民の下村博文政調会長は、感染力の強いインド由来の「デルタ株」が広がる中での早めの対応▽ワクチン接種が広がった場合のイベント規制の緩和など経済活動再開の基準の明示▽英アストラゼネカ製ワクチンの活用方針に関する説明-などが必要だとした。

 与党側の主張には、ワクチン接種が「遅れている」との批判や、経済再開のめどが立たないという重苦しい雰囲気を払拭し、政権浮揚につなげる狙いが透ける。公明幹部は「酒類提供に関わる人たちから意見を聞く機会を設けるべきだ」とも語った。

 ただ、閣僚経験者は「新規感染者数が増えると同時に内閣支持率は下がってきた。五輪で日本選手が活躍しても支持率アップにつながらない可能性がある。厳しい」と弱音を吐いた。(沢田大典)

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