菅首相記者会見詳報

(5)コロナ対策「出口は分かりやすく考えていく」

=(4)から続く

 尾身氏「このことが、実はわかっているんだけれども、必ずしも社会の隅々まで実行されていないことが、今の私は感染拡大の一つの理由、原因の一つだと思います。したがって、もうこれは他の諸外国でも接触の機会をなるべく減らすために、欧米ではロックダウン(都市封鎖)ということをやっているわけですよね。ところが日本は法的ないろんな環境の中で、法律で縛るというわけにはいかないですよね。そういう中で私は今求められるのは、ともかく、全く外出を禁止するってことはできませんよね。私も今日ここに来てるわけですよね。そういう意味で、どうしても外出をする必要があることはありますよね。そういうときには、なるべくもう感染が起こるリスクの高いところがわかってるわけですね。それは人数というものがものすごく、しかも今まで会ってない、これはあるところのシミュレーションで、もうわかってきたことです」

 尾身氏「例えば一つわかりやすいことで言えば、(会社の)課内でいつもしている人と、いつも当たっている人、感染していたとして、ところがそれを課を越えて次の課に行き、部に行って、それで会社全体に、さらに他の会社に行くということになると、感染のリスクが高まることがもうある程度わかっているわけですね。そういうことで私は今回、人々になるべくそうした感染のリスクを減らすためには、これがここははっきり5人とか2人とかいうことは各都道府県で決めていただければいいと思います。これは今欧米あるいは諸外国も10人以下というのは、これは最低のスタンダードですね」

 尾身氏「さらに2人にするというのは、各都道府県に決めていただきたいと思いますけど。ともかく今、国民の間で複雑な心境になってますから。気持ちになっているんで、そうした国民の複雑な心情に寄り添った発信の仕方というのが求められていて、そういう中で結果的にそういう感染のリスクの高い場所と状況がわかっているわけです。このことについては、なるべく多くの人に、そのことをすれば必ず感染は減少傾向に行きます。これはわかってるんだけど、それが必ずしも、十分にできていないというのが今の現状ですので、この期間はですね、今、感染がどんどん拡大してるわけです」

 「このことは、十分、皆さんに、もうこれは政府、自治体、一般市民、それからジャーナリズムの方も、このことを十分認識しないと、私はこれなかなか感染を下火にすることはできないと思う。この行動変容、まあ、人々の、このもう嫌ですよね。嫌だけど、今もう、感染がどんどんいっちゃってますから。今、申し上げたように、感染がどこで起こるのか、ということはもう何度もわかっているわけで、それをみんなが協力してやれば必ず感染は下火になりますから」

 尾身氏「ということでぜひ、人数については普段会わない人たちと会うということはなるべく控えていただきたい。ほかに県を超えてとか、いくつかありますけれど、私はそういう人数ということは極めて重要だと思います」

 --欧米は新規感染者が増えても重症者や死者数が抑えられ、さまざまな規制が解除されている。日本も新規感染者数を基準とした政策から方針転換するか

 首相「まず、新型コロナ対策というのは、国民の命と健康を守る、そのことであり、医療に負荷を与える重症化予防。この方針というのは大事だという風に思います。そういう中でやはり、地域の医療体制をしっかりと守っていくということです。ワクチンの接種が進んできて、特に65歳以上では間違いなく効くということも明らかになったわけでありますから」

 首相「そうしたワクチンの接種を踏まえて、先ほど申し上げましたけれども、宣言期間である8月いっぱいの中で、まずワクチンの進め具合。(全国民の)4割が2回接種する。さらに重症化病床の利用率。そして医療提供体制の負荷。そうしたことに着目して、具体的な分析を行った上で、地域における医療体制の状況などを判断して、その出口というのはわかりやすく考えていく。そういう必要があるだろうというふうに思ってます」

=(6)に続く

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