海外情勢

中国が台湾のTPP加入に「断固反対」 阻止へ圧力必至

 【北京=三塚聖平】中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は23日の記者会見で、台湾の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への加入申請について「公的な性質を持つあらゆる協定や組織への参加に断固反対する」と反発した。台湾の蔡英文政権が認めていない「一つの中国」原則を掲げ、台湾への圧力を強めるとみられる。

 習近平国家主席が昨年11月に「積極的にTPP参加を検討する」と表明していた中国は、台湾に先立ち今月16日にTPP加入を申請。習氏自ら掲げた目標を達成するため、国家の威信をかけて台湾の加入阻止に動くことは必至だ。

 台湾の国防部(国防省に相当)は23日、中国軍の殲(J)16戦闘機など計24機が防空識別圏に進入したと発表した。台湾のTPP加入申請に対する中国側の圧力の可能性がある。

 中国側は、台湾を中国の不可分の一部であるとする「一つの中国」原則を認めない蔡政権に対し、国際社会で台湾を孤立させる戦略を強めてきた。ただ、国際社会では中国の高圧的な姿勢への反発も強く、米欧では台湾接近の動きが広がっているのが実情だ。

 8月にはバイデン米政権が台湾への武器売却を承認し、台湾への軍事圧力を強める中国を牽制(けんせい)。今月中旬には欧州連合(EU)が貿易や投資などの分野で台湾と関係を深めることに意欲を示した。

 そうした中、台湾がTPP加入で存在感を高め、各国が台湾接近をさらに強めることは習政権が絶対に避けたい事態だ。習氏は、内政とする台湾問題の解決を「共産党の歴史的な責務」と位置付けており、台湾のTPP加入は来年秋の党大会で目指す長期政権実現にも響きかねない。

 一方、TPP加入には、全参加国の同意を得ることが必須。中国にとって一部参加国との間で抱える貿易や安全保障上の対立が障害になる可能性がある。特にオーストラリアとは新型コロナウイルスの発生源調査をめぐって対立し、豪州産牛肉などの輸入を制限するなど関係が冷え込んでいる。こうした高圧的な「戦狼(せんろう)外交」もあだとなり、中国のTPP加入交渉は容易ではなさそうだ。

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