海外情勢

ドイツ総選挙「中道保革接戦」 ともに大連立解消、首相目指すと宣言

 【ベルリン=三井美奈】ドイツ連邦議会(下院)選挙が26日、投開票された。公共放送ARDの出口調査に基づく予想(日本時間27日午前6時半現在)では、中道左派の社会民主党(SPD)が205議席で、メルケル首相の属する中道右派、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の194議席を僅差でリードしている。

 どちらの党も過半数には及ばず、新首相が誰になるかは連立協議次第となる。

双方の党首はそれぞれ「次の首相」を目指し、交渉に臨む意欲を見せた。

 第3位の緑の党は、同党として過去最多の116議席を獲得する見通し。中道の自由民主党は91議席、「反難民」を掲げる右派「ドイツのための選択肢」(AfD)は84議席の獲得が見込まれている。

 CDU・CSUは現有245議席を大きく下回ることが確実になり、CDUのラシェット党首は26日、「満足できない結果になった」と認めた。そのうえで、「保守主導の政権樹立に全力を尽くす。初の3党連立になるだろう」と述べ、緑の党、自由民主党との連立政権樹立に意欲を示した。

 一方、SPDは現有の152議席を積み増す見込みで、党首のショルツ財務相は、「多くの有権者がSPDを信任し、ショルツを次の首相にしたがっている」と述べた。

 緑の党幹部はCDU・CSU、SPDのどちらとも連立交渉が可能だとしている。

 CDU・CSU、SPDともこれまで、AfDとの連立交渉の可能性を排除してきた。現在の大連立を解消して新政権を樹立するには、いずれかの党が緑の党、自由民主党との3党連立の合意をまとめる必要がある。緑の党は富裕層増税を主張し、自由民主党は企業減税を求めており、経済政策で大きな乖離(かいり)がある。

 メルケル首相は今回の選挙後、任期満了に伴って退任を表明しているが、新首相が決まるまで留任する。下院定数は598だが、比例の得票率によって追加され、700議席を超える見通し。

 ドイツの連立政権 ドイツでは保守のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と中道左派の社会民主党(SPD)が二大政党。単独過半数は困難なため、どちらかが中心となって中道の自由民主党(FDP)や環境保護政党「緑の党」と連立を組むことが多い。現在のようなCDU・CSUとSPDの大連立は例外的で、両党はこれまで西ドイツ時代のキージンガー政権(1966~69年)と2005~09年のメルケル首相の第1次政権、13年以降の第3次、第4次政権で大連立を組んだ。(共同)

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