「たまたま新宿のパスタ屋で透明な胡椒ミルが置いてありました。はじめは回しても胡椒が出なくて。傾けて回したときに胡椒が出てくる様子を見て、『これはセンサーだ』とひらめきました。胡椒が入っているようにプロダクトの内部を操作すれば、複数の機能を持ったセンサーを作ることができ、クリエイターの役に立てるのではないかと思いました」
早速、試作した神成さん。3Dプリンターで作った1個10万円のプロトタイプを周囲に見せてみると、「欲しい」という声が多く上がったそうです。そこから製品化の道に向かいました。
一つずつ壁を乗り越え、クリエイターから経営者に
そんな流れで、2016年2月に創業したBrain Magic。「プロダクト開発から製品化に至るまでにどんな苦労があったのか」と、モデレーターから問いが投げかけられました。
製品化を目指したときに、実現するためには3000万円ものお金が必要であることが判明しました。当時は、投資家やベンチャーキャピタルの存在も知らなかったという神成さん。デジタルハリウッド大学の先生から「会社に投資してもらうしかない」というアドバイスをいただき、そこから事業計画書の作成やプレゼンの準備に取り組んだそうです。
「投資家に会ってはプレゼンを繰り返して、なんとか投資してくれる人を探しました。一つずつ壁にぶつかっては、なんとか乗り越える日々。そうやって、製品化にこぎつけました」
経営者としての道を歩むなかで起きた大きな失敗も、神成さんに語っていただきました。
「リリース日、会社側のミスでサーバにアクセスが集中し、楽しみにしていただいたお客様が利用できないという時間が続きました。そこで、2日間かけて一人ひとりにメールサポートをしていきました。夜中に届く問い合わせにも15分くらいで対応していたところ、『みなさんの体が心配なので、ぜひ休んでください』と心配されるほどでした(笑)。そこから、ユーザーサポートには特に力を入れていて、Twitterで1時間に1回くらいはエゴサーチをかけています。たとえば、『使いモノにならなかった』とレビューされている方には徹底的にアフターサポートを行い、機能の提案をしてくださった方の声を実際に反映するなど、お客様と一緒にプロダクトをより良いものにしていくことを意識していきました」
今後は、取得した特許をもとに医療やドローンなどへの事業展開を検討しているほか、新たなプロダクトも発表予定。最後に「従来のセンサーに比べ、安価に置き換えが可能なため、いろんな課題解決に取り組みたい」と抱負が語られ、イベントは締めくくられました。
【CONNECT in 丸の内】では、三菱地所が運営する国内外のスタートアップとそのサポーター約600名が集う起業家支援コミュニティ「東京21cクラブ」による、イノベーション創出支援を目的とした活動の一部をご紹介します! アーカイブはこちら