データを活用し、医療に新たな価値を生み出したい
イベントの後半では、スマートスキャンの脳ドックを受けたことがある旦部から、「ビジネスモデルが分かりやすいだけでなく、予約、受診から結果を受け取るまでのオペレーションも秀逸です。何か工夫されていることはあるのでしょうか?」という質問が濱野さんに投げかけられました。
「シンプルなオペレーションを心がけています。一般的な診療は、病院内で問診票を書き、MRIで複数の体の部位を撮影するため、滞在時間も比較的長い。しかし、スマート脳ドックは、滞在時間を短くするために、問診票を事前にWeb上で記入。MRIを使った撮影は脳に限定しています。脳ドックの撮影は10分強のため、1時間で4人ほど対応が可能です」
こう答えた濱野さんは、次のように続けました。
「他にも、コストを削減するために、脳の解析を行う読影医をアルバイトで雇用。遠隔で画像解析を実施し、その枚数に応じて給料を支払う形にしました。一方で、お客様の体験については、コスト関係なく、サービスに満足いただけるような工夫をしています。たとえば、検査結果には必ず医師からのコメントを入れるようにしていますし、特に以前も受診してくださった方には必ず前回の脳画像と比較したコメントをつけるなどを徹底しています」
また、マーケティングコストを下げるための工夫についても紹介してくれました。
「当社の脳ドックでは、撮影した画像が10分後にはクラウドに上がり、そのデータをお客様にお渡ししています。データ形式でお渡しすると、普段はなかなか見られない自分の脳の画像を家族や友達に見せたくなりますよね。中にはSNSに投稿して、拡散してくださる方もいます。このような形で広告などを出さなくても、受診者からの口コミや紹介でサービスを使っていただくことが多くなりました。しかしながら、通常の脳ドックに比べて安く診断できるものの、1万7500円の受診料をすぐ出せる人は少ないものです。そのため、実際の受診者からの口コミや拡散は、ユーザーの背中を押してくれるきっかけとなり、大変効果的なマーケティング手段と考えています」
今後は、蓄積されたデータを活用したビジネスが鍵になるという濱野さん。「これからも脳ドックを受診できるクリニックをプロデュースし、得られたデータを活用してさまざまな企業とコラボしていきたいです」。そのような思いを語り、イベントは締めくくられました。
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