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データ分析は企業を救う ぶれない信念で成長、その原点とは

東京21cクラブ
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 統計分析でどうしようもない悲しみを減らせるかもしれないー。そう信じ、平尾さんは2012年に起業。専門知識がなくても統計分析ができるWebサービス 「adelie(以下、アデリー)」をリリースしました。しかし、サービスが多くの企業に認められるまでには、長い時間がかかりました。データ分析の市場がまだ立ち上がり時期だったからです。

 「当時は“ビッグデータ”という言葉が言われ始めた時代で、データの収集や蓄積が注目されていました。私たちは、そのデータから未来の推測や予測といったシミュレーションをすることこそ大切だと考えていましたが、当時はそこまで理解してもらうことが難しかったです」

 広告分析だけでなく、PDCAに関わるすべてを支援

 それでも、データ分析が企業の未来を救うと信じ続けた平尾さん。「ニーズがない」と言葉を投げつけられ、悲しい思いをしたこともあると言います。それでも、クライアント一人ひとりに向き合い、根気強くデータ分析の大切さを伝えていきました。すると、当時興味を持って話を聞いてくれたほとんどがマーケターだったことから、アデリーからピボットし、マゼランを提供。マーケター向けに機能を改善し、今では大手企業を中心に120社以上が導入するようになりました。

 また、2019年には新たなプロダクトブランド「XICA ADVA(以下、アドバ)」をリリースしました。アドバはマゼランを拡張したプロダクト。広告の効果分析と予算配分最適化だけではなく、広告におけるPDCAのすべてをデータサイエンスによって支援します。

 特徴的なのが、出稿ボリュームに応じたマージンモデルではなく、売上などの事業成果を対象とする成果報酬型を採用。コロナ禍ではより広告の費用対効果が重視されるようになったのもあり、導入社数を伸ばしているそう。同社が持つ強みを、平尾さんはこう語ります。

 「私たちが戦うデータ分析の領域では、先行優位が重要になってきます。長年この領域にいる私たちは、圧倒的なデータ量と学習量を持っています。さらに、アジャイルな開発体制でプロダクトの改善を日々行っているのと、開発に限らず、データサイエンスに強いメンバーが豊富にいるため、精度とスピードを両立することができています。このデータ量と組織体制という強みがあるおかげで、新型コロナウイルス感染拡大によって生まれた異常値の修正においても、2カ月という短期間で完遂できましたね」

 どんな困難な渦中でも、柔軟な対応力を持ったサイカ。「今後は日本だけではなく、海外にまでサービスを広げていきたい。そして、テレビ広告に関わる世界中の人たちが幸せになるソリューションを提供していきたい」と抱負を語り、イベントは幕を閉じました。

三菱地所が運営する「東京21cクラブ」は、ビジネス・アクセス共に利便性の高い東京駅前・新丸の内ビルに拠点を構え、国内外の先端スタートアップや大企業、その他様々なプロフェッショナル約600名が集うオープンイノベーションに特化した起業家支援コミュニティです。オンラインを含むイベントやセミナーなどを通じて、ミートアップなどの企業同士の交流の場を提供し、新規事業開発支援を行っています。

【CONNECT in 丸の内】では、三菱地所が運営する国内外のスタートアップとそのサポーター約600名が集う起業家支援コミュニティ「東京21cクラブ」による、イノベーション創出支援を目的とした活動の一部をご紹介します! アーカイブはこちら

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