Fromモーニングピッチ

変化する教育環境 EdTech系ベンチャーが学びを促す

永石和恵
永石和恵

 双方向を可能にしたライブ授業

 子供が小学校に入学するのを契機として母親の4人に1人が離職を経験しており、経済的な損失に換算すると約3兆円に達すると試算されています。こうした現状を踏まえキッズシーズ(東京都中央区)は「キッズウィークエンド」という子供向けオンライン教育プラットフォームを提供しています。例えばオンライン形式のミカン狩りでは、実際に現地の農家の方が生中継でミカンを収穫し、そのミカンが生徒の家に後日届くなど、双方向を可能にしたライブ授業を提供しています。

 大人が学ぶ生放送学習コミュニティ

 大人たちが学び続けるオンライン型の生放送学習コミュニティを提供しているのがSchoo(東京都渋谷区)です。数多くの人が授業を同時に視聴することを重視しており、授業中には質問も可能です。また、学習動画の種類もビジネススキルやマネジメント、自己啓発、政治経済など多彩で、21のカテゴリーの中に6200本の動画を用意しています。講師陣は業界の最先端で活躍しているビジネスパーソンが中心で、生きた学びを提供しています。一般消費者向けのサービスに加え、法人向けに従業員の学びを支援するサービスも展開し、会社に学習を継続できる文化が根付くまで支援を続けていきます。

 映像の再生技術を授業に活用

 RUN.EDGE(東京都渋谷区)は、映像の再生・活用に関して高度な技術を備えており、各国のプロスポーツクラブで活用されています。その技術を活用し、振り返りやディスカッションが必要となる教育分野にも応用したサービスが「TAGURU」です。オンライン授業を見ながら、分からないところや重要だと思うところでボタンを押すとシーンを残していくことができます。講義内容に対し生徒の意見などをビジュアル化することで、それをベースに先生がフォローするといった授業を行っているケースもあります。

 オンラインの学習効果は大きく、利用者は着実に増えるとみられています。EdTech系ベンチャーが活躍する領域はますます広がることでしょう。

学生時代からITベンチャー企業へ参画、その後大手ネット広告代理店と2社で計10年の人事キャリア。1社目のベンチャーでは、上場前メンバーとして人事採用チームの立ち上げを経験、上場後にHR領域マネジメントと経営企画IR業務を担当。2016年より現職で、スタートアップ個別支援や、イノベーションエコシステム構築に従事しMorning Pitchの運営を統括。EdTechベンチャー支援や自治体向け教育イノベーション事業アドバイザリーも行う。

【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング