食用コオロギで持続可能なフードサイクルを確立
グリラス(徳島県鳴門市)は徳島大学発の昆虫食スタートアップです。農業残渣や加工残渣で餌を賄い、フタホシコオロギを大量に養殖して人の食糧にすることで、持続可能なフードサイクルである“サーキュラーフード”を確立しています。中核技術は食品の残渣活用と食用コオロギの自動飼育・加工システム、ゲノム編集技術による品種改良です。このうち飼育システムについては、徳島県美馬市内の廃校を利用して、生産から加工に至るまでの工程を取りそろえた、国内初のコオロギファームを建設しています。
曇り空でも高い発電効率を維持する太陽電池
エネコートテクノロジーズ(京都府宇治市)は、メガソーラーなどで使用される従来型の結晶シリコン系太陽電池とは全く異なる性質で、照度を選ばずに発電する「ペロブスカイト太陽電池」を提供しています。変換効率の優位性に加え、曇り空や室内光でも相対的に高い発電効率を維持できるほか、超軽量で材料・製造コストが安くコストが安くて済むという特性を備えています。2023年の製造販売を目指しています。
デジタルツイン上で最適化
RUTILEA(ルティリア、京都市左京区)は、仮想空間で現実の作業を再現するデジタルツイン上での最適化に加え、オープン型のハードウエアとAIによる自動化に取り組んでいます。具体事例のひとつは機械が突発的に停止する計画外ダウンタイムの削減です。同社のソリューションを導入することによってデジタルツイン上で最適な
交換タイミングを計算し、指示行った結果、年間7,000万円のコスト削減を実現したケースがあります。
人間と同じような動きをするロボット
ソラリス(東京都文京区)は、独自開発の人工筋肉により人間の腸と同じように収縮・弛緩をしながら内容物を混錬・搬送できるロボット「蠕動(ぜんどう)運動ポンプ」を提供しています。超高粘度スラリーの搬送や混錬の自動化を可能とし、様々な現場で最後まで人手に頼っていた工程を自動化、作業者の高齢化問題や人手不足解消に貢献します。
感度やスピードが飛躍的に向上
ANSeeN(アンシーン、浜松市中区)は感度やスピードなどが飛躍的に向上したX線センサー技術を提供しています。ガラス系材料を用いた従来型センサーの場合、変換効率が1%で感度を上げるのが難しかったのですが、ガラス部分を半導体に置き換えることで、変換効率が95%以上になりました。今後は、X線カメラを使う際に人が目視する部分を自動判定できるようにするなどのアプリケーションを展開する計画です。
米国ではITスタートアップへの投資が一巡した後、Deep Techスタートアップへの資金が回るようになりました。日本はDeep Techスタートアップへの投資マネーがまだまだ少ないですが、スタートアップの成長を促すためにも米国と同様のエコシステム(生態系)の構築に期待が高まります。
【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら