近ごろ都に流行るもの

「高卒新卒採用」(上)求人数激増、労働力不足で再び“金の卵”に

 「大都市圏ほど生徒を採るのが厳しい。地方の高校生も視野に入れて」と講師が呼びかけると、企業側から「今どきの子たちが住んでくれる寮とは、どんなものになりますか?」と、真剣な質問が上がっていた。

 JOBドラフトの契約企業はサービスを開始した平成27年度に127社だったが、29年度372社、30年度は667社と飛躍的に増えている。事業を統括する中溝祐介部長(34)は、「費用をかけても、しっかり採用・育成したいという企業さんの熱意を感じる」。

 料金は会社案内・求人情報の掲載とコンサルティング料などを合わせて年間50万円から。2月には掲載のみ、あるいは総合的な「高卒採用パック」など、企業事情に応じてメニューを広げるという。

 しかし、せっかく多額のコストをかけて入社させても、すぐに辞められては元も子もない。「社会人としての伸びしろを引き出してあげるためには、入社後の支援と教育が非常に重要。定着のカギになります」と中溝部長。

 同社では、中小企業が独自で行うことが難しかった高卒者向けの社会人基礎力養成研修や、仕事の目標設定や悩みの受け皿、社外同期づくりなどを請け負う有料サービスも新たに4月からスタートさせる予定だ。

 高卒者の進学率が81.5%(平成30年度の学校基本調査)にのぼるなか、就職を選ぶ生徒は少数派だ。実際の働きぶりも見てみたい。

 東京都中央区にあるビルメンテナンス会社「ケーワンテック」本社を訪ねると、パソコンを前にガイダンス用の資料を制作する採用担当、入社3年目の中田紗耶加さん(20)の姿があった。同社のビルメンテナンス業務は窓清掃など高所に特化。中田さんは「身長が低いので高い所が大好きなんです」と快活に笑った。

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