究極の評価システムを持つマクドナルド
(5)フィードバック面談
フィードバック面談を行うことにより、評価結果とその理由を説明することになりますが、
一方的に話すのではなく被評価者の話を聞くことも大切です。
心掛けるべきポイントは、自己評価と最終評価との差がどれだけあり、その理由がなぜなのかを気付かせることです。
自分に不足しているのは何かを気付かせ、改善するためにはどうすればよいかを考えさせることで、成長を促します。
この際に難しいのは、被評価者の自己評価と最終評価の間に大きなギャップがあるときです。
自己評価が高く、最終結果が低い場合は要注意です。高い自己評価を行う被評価者は自信家である事が多いです。数字だけを見れば評価に値するものがあるかもしれませんが、最終結果が乖離しているということは会社としてあるべき人物像からずれているということです。
乖離を少しでも防ぐためにも、日々コミュニケーションを取るようにしていきましょう。
3回にわたり評価制度についてお伝えしてきました。
適切なやり方で評価に取り組むと評価者も被評価者も成長していきます。
その究極の形がマクドナルドだと、私は思っています。マクドナルドには全ての階層に教育と評価の仕組みがあり、それを徹底させてきました。
個々のモチベーションを上げ、スタッフと会社の成長に繋げていくための評価制度です。多くの時間を費やしますが、成長には欠かせないものです。
皆さんの会社の評価制度も今一度見直しを行い、会社の理念に即し、活躍できる人財を育成していきましょう。
【プロフィール】有本均(ありもと・ひとし)
株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパン社長
1956年、愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部入学後、大学1年からマクドナルドでアルバイトを始め、1979年、日本マクドナルド株式会社に入社。店長、スーパーバイザー、統括マネージャーを歴任後、マクドナルドの教育責任者である「ハンバーガー大学」の学長に就任。2003年、株式会社ファーストリテイリングの柳井社長(当時)に招かれ、ユニクロの教育責任者である「ユニクロ大学」の部長に就任。その後、株式会社バーガーキング・ジャパンの代表取締役など、外食・サービス業の代表、役員を歴任する。2012年、ホスピタリティ&グローイング・ジャパンを設立。マクドナルド、ユニクロ等を経験して得た「人財育成のノウハウ」を活かし、世界中のサービス業の発展を目指す。著書に「どんな人でも一流に育つしくみ」。
【マック&ユニクロ流人財育成】は有本均さんが人を上手に育て会社を成長させる人材育成のノウハウを伝える連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。