働き方

1日で3000本 昭和25年開業のミルクスタンドにお客が絶えない理由

 カウンターで商品を注文すると、店員が冷蔵庫から牛乳ビンを取り出し、蓋を取ったうえでお客に渡す。店頭でグイっと飲み干し、ビンを返却するシステムだ。駅構内で転がったり割れたりすると危険なので、ビンは持ち帰ることができない。カウンターの横には小さな台も置いてあり、落ち着いて牛乳とパンを一緒に食べられるように配慮されている。営業時間は午前6時30分から午後9時までで、最も忙しいのは朝の8時30分ごろだ。仕事に向かう人たちが朝の“エネルギー補給”をしている。

 ミルクスタンドにはお客がひっきりなしに訪れる。ある中年男性は牛乳を5秒で飲み干し、無言でビンを返却し、足早に電車に乗り込んでいった。総じて、お客の滞在時間は短い。牛乳とパンを数分で口に放り込む姿を何度も見かけた。

 東京では、レトロなミルクスタンドは減りつつある。稲村氏は「私が知る限りでは、かつては(JRの)新橋、池袋、品川でも駅構内で牛乳が飲めました。30年以上前には、私鉄の駅ホーム上にある売店では冷蔵庫に牛乳ビンを入れて売っていましたね」と振り返る。

 創業当初は5種類ほどしか販売していなかった

 大沢牛乳が創業した当初は、牛乳、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳など5種類ほどしか販売していなかった。1950~1965年ごろには1日1万本以上売れる日もあったという。ミルクスタンドまで牛乳を入れた木箱をかついで何度も運ぶ必要があったため、従業員の肩には大きなこぶができていたと当時を知る従業員は語る。

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