現場の風

みずほ証券 ESG債市場に厚み持たせたい

 みずほ証券サステナブル・ファイナンス室長 伊井幸恵さんに聞く

 --サステナブル・ファイナンス室が4月に発足した

 「環境や社会的課題の解決につなげる資金を調達するために企業などが発行するESG債の起債・投資ニーズが強まっている。今年は普及期に入り、国内の市場規模は1兆円を超えるだろう。当社はこれまで債券部門内の専門デスクで対応してきたが、発行体や投資家のニーズに応えるため、独立した組織にして陣容を強化した」

 --みずほ証券ならではの売りは

 「フレームワーク作りには定評があると自負している。今年は鉄道建設・運輸施設整備支援機構に対して、資金調達の大半の使い道を環境保全や社会課題の解決に限定する『サステナビリティボンド』の発行を支援した。厳格な基準で知られる英国のNPOの認証を取得した債券だ。鉄道は環境に優しいだけでなく、公共性も備えていることから、グリーンボンドとソーシャルボンドを掛け合わせる切り口を提案した」

 --今後の目標は

 「ゲリラ豪雨など自然災害が多いため、ESG債の起債はグリーンボンドに偏りがちだ。今年は日本が20カ国・地域(G20)会議の議長国を務めることもあって、国連の『持続的な開発目標(SDGs)』達成の機運が高まっている。ソーシャルボンドやサステナビリティボンドの起債がもっと増えてもいい。市場に厚みを持たせ、ESG債に対する投資家のニーズにも応えたい」

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