働き方

副業・兼業普及にハードル 労働時間合算など、現行制度の変更難しく

 政府の規制改革推進会議の答申には、副業・兼業の普及に向けた環境整備や介護休暇の柔軟化など、多様な働き方を実現するための案が並んだ。政府は働き方改革を後押しするため現行制度を見直す方針だ。人手不足が深刻化する中、既に取り組んでいる企業もある。一方で長時間労働を防ぎ労働者の健康を守る必要もあり、普及には課題も残る。

 ロート製薬(大阪市)は2016年、社会人3年目以上の社員を対象に就労時間外の副業を認める制度を導入した。約80人が薬剤師や日本語教師、サッカー指導員など幅広い職種を兼務。「副業をしている人は本業でも生き生きと働いている」(担当者)と好意的な受け止めが広がる。

 今年に入ってからも、みずほフィナンシャルグループ(FG)や東邦銀行(福島市)、カゴメ(名古屋市)など地方を含めた企業が続々と副業容認を表明した。「一人一人が活躍できる」(坂井辰史みずほFG社長)環境を整え、社外で得た経験を新ビジネスの創出などに生かしてもらう狙いがある。

 副業や兼業を後押しするビジネスも現れた。パソナグループは「移住ではなく旅するように働く」という発想で、都市部の人材と地方の中小企業をつなぎ、仕事を紹介する取り組みを3月に始めた。都市部で約150人、企業側は約20社が既に登録した。休日に若者らが地方で働く仕組みで、受け入れ側の企業には、営業委託や企業研修、商品開発支援といった人材を求める声があるという。

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