もちろん致命的な欠陥を排除していることや最低限以上の完成度はなければダメですが、一方で「パーフェクト」ばかりを追っていたら、いつまで経ってもローンチできず、先に競合に先行されたりもするでしょう。そもそも100%などということ自体がなかなかありえませんしね。
「比較する」ことで前向き・解決型リーダーになる
橋下さんがここで3案のパターンを決めており、その比較の中で「最もましな案」を選ぶというルールを設定していることが秀逸です。
代替案があることで、漠然となんとなく1案について検討するのではなく、しっかり論点比較できます。部下に考え抜いてもらった3案の比較で一番優れた案で決裁することで、部下も上司としても「最善策を選び、決定する」ことにスッキリ合意しやすいのです。
「日本の教育では、比較優位の思考が教えられていないため、新しい案、1つの案の問題点だけをあげつらい、批判するという、偏った議論があちこちで見られます。複数の案がはっきりと示されていれば、比較優位の思考をしやすいのですが、問題は新しい案が1つだけ出されたときです。確かに案は1つであっても、それは現状に対する案なのですから、新しい案についてのみ問題点を検証するのではなく、あくまでも現状との対比で、どちらのほうが優位か、どちらのほうがましか、という判断をすべきなのです。」(同書)
私たちは、目の前の1つの案についてメリット・デメリットの確認検討をして、ときに堂々巡りに陥ることがあります。
そうではなく、新しい案と現状、自社の案と他社の類似・競合商品を比較検討したり、3案提出に習って、もう2案を策定し比較検討するのです。
何かを決めるときに、「比較する」ということの重要性を、橋下さんは教えてくれます。私たちもすぐ導入できる決め方ですね。
こうすることで、部下の案の問題点をあげつらうのではなく、よりましな方を評価し選ぶ、よりましな方の問題点には目を瞑るという、「前向きリーダー」になることができます。
リーダーはダメ出し人間で終わらないこと。評論家・コメンテーター型上司は、真にデキる部下・同僚・経営者から実際問題、疎まれますし、何よりも企業の中の“非生産的人材”です。働き方改革、生産性向上がテーマの時代において、最も不要な人材ですね。
今回の社長を目指す法則・方程式:
橋下 徹氏「比較優位思考」