元受付嬢CEOの視線

受付嬢が自動受付をつくる 私は自分の仕事を自ら奪ってしまったのか

橋本真里子
橋本真里子

 もし感じたことがあるのであれば、今すぐにでも転職なのか、職種を変えるのか、それか働き方を変えることをおすすめします。そう感じているということはおそらく、そう遠くない将来、本当に仕事を奪われてしまう可能性が高いからです。AIが代われる仕事であれば、AIに任せたほうが時間もコストも圧倒的に削減でき、働き方改革が叫ばれるこのご時世には最適です。しかし、あえてそう言った仕事を人に任せる意味をあなたが見出し、付加価値を提供できればきっと仕事は奪われません。そういうスタンスで仕事に向き合えているかが自分の仕事を奪われるか否かにつながると思います。

 「今すぐに」と表現したのは、早いほうが選択肢も選択する時間も潤沢に持つことができ、結果的に自分の人生を豊かにできると思うからです。

報酬に見合った価値を提供する

 先ほどご説明したように、私が受付嬢をやめたのは、自分の仕事がなくなると感じたからではありません。しかし、有人の受付は減っていくと思っていましたし、年齢的なことも考え、このまま受付を続けることは自分のキャリアを狭めていくとは思っていました。自分のキャリアを客観視しつつも、業務に対してはいつも様々な視点をもち、向き合ってきたつもりです。それが起業につながったと思います。

 誰がやっても同じ成果物―。それではAIの進化に関わらず、他の人間に奪われるだけです。自分にしか提供できない価値を提供できるからこそ、会社はあなたに仕事をお願いし、報酬を支払うわけです。それは業務面だけに限られたことではないと思います。会社にとってとても重要な文化作りに貢献できるかなどの存在価値の提供も、自分にしかできない仕事のひとつといえます。

 会社は人間で構成されています。企業で働くことを通じて様々な人間関係や感情が生まれます。「この人と一緒に仕事をしたい」。そう思われるようになれば、どんな仕事でもAIや機械に奪われることはないでしょう。特別なスキルや資格がなくとも提供できる価値はあると思います。今より少し「付加価値」を意識してお仕事に取り組んでみると、あなたも会社も変わっていくかもしれませんね。

橋本真里子(はしもと・まりこ)
橋本真里子(はしもと・まりこ) ディライテッド株式会社代表取締役CEO
1981年生まれ。三重県鈴鹿市出身。武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。長年の受付業務経験を生かしながら、受付の効率化を目指し、16年にディライテッドを設立。17年に、クラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。

【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。アーカイブはこちら

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