商業捕鯨の灯、ふたたび

クジラで地方が生き返る 安い鯨肉を食卓へ

 地方活性化に期待

 鯨肉を安定的に供給できる調査捕鯨主体の枠組みとは違い、商業捕鯨は天候や海流の変化によっても捕獲数が左右される。捕鯨業者が独り立ちするには30年間の空白期間の影響は大きく、商業捕鯨の枠組みはしばらく、農水省が補助金を出して支える「実証事業」として実施される。漁場探索や販路拡大など最適なビジネスモデルの構築を目指して、試行錯誤を続ける。

 そして、商業捕鯨の実施は何よりも人口減少や自然災害被害などを抱え、経済が落ち込む地方の活性化にとって意義が大きい。

 石巻市は、牡鹿半島の付け根にある鮎川浜地区(旧牡鹿町)に20世紀初頭、近代捕鯨の基地が設けられた。以来、同地区はクジラの街として発展。東日本大震災で主要施設が全壊したが、地元の人々の根強い希望もあって、中核となる集合施設が再建されることになった。

 この9月には、鯨肉や加工品を売る直売所や飲食店が入る観光物産交流センターがオープン。来年4月には、捕鯨文化を体感できる博物館「おしかホエールランド」が開館し、津波被害からの復興を促すにぎわいの創出を期待する。

 「(オープンは)商業捕鯨の再開と重なり、まさに千載一遇。以前のように観光客が戻るのも夢じゃない」と語る石巻市の担当者。鮎川港まちづくり協議会の斎藤富嗣会長は「なぜクジラが日本の食文化なのかということを伝えなくてはいけない。(地域の)交流人口を増やす1つのきっかけになる」と意気込む。

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