多くの報酬を頂いていたわけではありませんでしたが、これから自分がやろうとしているスタートアップの経営を役員陣の中で学べるのは非常に魅力的でした。結果的にその経験は、自分が起業した際も非常に有益だと感じましたし、起業のための資金調達にもつながりました。
弊社が副業を推進する理由
そんな自分自身の経験もあって弊社では副業OKとしていますが、容認の理由としては主に3つあります。
- スタートアップにとってコスト軽減につながる
- 副業で学んできたスキルを弊社にも生かしてくれる
- 「副業OK」という自由度を与えることでいい人材が採用できる
一般的にスタートアップはお金がありません。(1)本当は高い給与を払ってでも採用したい人材だけど、週に5日コミットしてもらっても給与を支払う体力がない場合。また(2)週5日ほどお願いする仕事がまだないという場合もあります。そういった時に副業先で収入を得てもらうことで、お互いの収入と支出のバランスを取ることができます。後者の場合は、弊社側が副業先になる場合もありますね。
そして、副業をしようと思う人は基本的に成長意欲や学習意欲が高い人だと思います。本来は休みに充ててもいい時間なのに、それを仕事に充てる。そういう人は副業先を選ぶ時に、本業にも役立つだろうという視点を持っているのではないでしょうか。
弊社では従業員との面談時に「副業先で今こういう仕事をしていて…」というような話が普通に出てきます。とても健全で良いことだと思います。コソコソやる副業ではなく、やはり本業先にも清々しい気持ちで話せる副業はいい効果をもたらすと思います。
成長・学習意欲が高い人は副業に興味を抱きやすいと思います。そういった人材は企業にとってはとても魅力的です。「副業がOKだから御社に興味を持ちました」と言ってくれた社員は一人や二人ではありません。それくらい多くの人が当たり前に副業について考えており、自身の成長につなげたいと思っていることを企業としては応援しない理由がありません。
副業容認の「リスク」は本当にリスクなのか
一方で、従業員の副業が会社にとってのリスクだとする声も耳にします。例えば労働時間や体調、または情報セキュリティの管理が難しいという点です。
正直、会社がいい大人を管理する時代はもう終わりを迎えていると思います。個人主義になりつつあるという意味です。体調管理についても、これは副業云々というより社会人としての意識の問題だと思います。私はこれまでたくさんの人を見てきましたし、たくさんの方とお仕事をさせていただきました。副業をしていなくても体調を崩す人は崩しますし、副業を抱えていても毎日元気にお仕事をしている人もいます。