近ごろ都に流行るもの

スマホ注文「モバイルオーダー」 軽減税率対象「テークアウト」増加に期待

 李さんが利用しているのは、「ショーケース・ギグ」(東京都港区)が開発したモバイルオーダープラットフォーム「O:der(オーダー)」のアプリ版。料金は非公表だが、初期費用+月額制で資本力の小さな店でも比較的手軽に始められるという。

 同社によると、今年6月の新規契約店舗が前月の4倍に急増。6月に経済産業省や中小企業庁が全国8会場で開いた「軽減税率・キャッシュレス対応推進フェア」の影響もあるとみており、から揚げ店、餃子店など約1500店舗が導入。首都圏から地方にも広がっている。

 広報担当者は「CRM(顧客情報管理)で、ユーザーにクーポン配信やキャンペーンの通知ができ、蓄積データを販促マーケティングに活用できることも店舗側のメリットになります」とアピールしていた。

 総菜店「RF1(アールエフワン)」(全国150店舗)を展開するロック・フィールドでは、東京メトロ溜池山王駅直結のオフィスビルにある「RF1セレクト 山王パークタワー店」(東京都千代田区)で、5月からモバイルオーダーを始めた。

 1日の集客が500人以上あり、昼時に一極集中。レジ待ちの行列を見て立ち去る客の取り逃がしが課題だったが、導入後は専用窓口を設けて素早くピックアップできる態勢を整えている。

 サラダ中心のメニューで客の8割が女性。だが、モバイルオーダー登録者の男性比率は半数に達する。「食べたいと思っても、女性の列に並ぶのは恥ずかしいと避けていたサラリーマン層を取り込めた。私も気持ちがわかります」と業態開発部の出口亮太部長代理(39)。温めや包装の段取りにもゆとりができ、店員の負担軽減にもつながっているという。

 軽減税率効果でテークアウトが増えるとなると、どこで食べる? という新たな問題も出てきそうだ。自宅に持ち帰るケースばかりでなく、食べ歩きが増えたりして…。タピオカドリンクのゴミ公害とも重なるが、マナー意識の向上や公共飲食スペースの整備も必要になってくるのかもしれない。

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