近ごろ都に流行るもの

LGBTの就職、寄り添う支援活発化 交流カフェや専門サイトも

 「おネエ系タレント」が人気を博し、与野党が支援政策を打ち出すなど、性的少数者「LGBT」への理解が急速に広がりつつあるが、自分らしく生きるために必要なカミングアウトの壁はいまだ高い。職場の同僚にカミングアウトすることに「抵抗がある」LGBT当事者は50.7%(電通ダイバーシティ・ラボの昨年調査)。今回は、就職活動や職場で苦労しがちなLGBTが集まるカフェに参加。本音を探るとともに、非当事者の寄り添い方についても考えてみたい。(重松明子)

 「LGBT歓迎だって求人に書いてあったのに。配属先で『自分はゲイです』と自己紹介したら、上司となる人が『何でそんな発言をするんだ』って怒ったんです。LGBTへの求人は、人手不足の数合わせなのだと腹がたった。4カ月は我慢して…」

 バッグに猫のチャームを付けたフェミニンな男性(30)が、ある通信系企業に入社した際の屈辱を打ち明けた。男性は、そこまで話すと「いやぁ!」と両手で顔をおおった。「もぉ、恥ずかしいくらいに転職を繰り返してる!」

 7月に東京都板橋区で行われた交流会「LGBTお仕事カフェ」に参加したときのこと。心と体の性が一致しないトランスジェンダーや同性愛者、恋愛感情のない「ノンセクシャル」を自認する人など、9人が集まっていた。

 司会の北川わかとさん(32)は「僕は昔、ボーイッシュな女の子。和香でした」。自らが乗り越えた体験を織り交ぜながら進行してゆく。幼稚園の制服のスカートが嫌だと泣いたことに始まり、22歳で女性に恋をしたことがきっかけで、男になりたいと確信した。最初に打ち明けた姉は、「両親が悲しむから絶対に言わないで」と号泣して猛反発したが、母は「そうじゃないかと思ってた」と話したという。

 ホルモン治療を始めると、体つきや声が男性的になり、周囲も覚悟を認めた。26歳のときに性別変更手術を受けて戸籍も男性となり、介護職を主にしたLGBT就職支援「レインボーワーカープロジェクト」を展開する笑美面(本社・大阪市)に入社した。

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