ワークスタイル最前線
「サバティカル休暇」制度導入増 学び直し、仕事のヒントも
信販大手のオリエントコーポレーション(オリコ)は今春、制度を新設した。不妊治療に対応できる休職制度が欲しいとの意見を契機に「現行制度で対応できないようなキャリアアップやボランティアにも幅広く使ってほしい」と考えたという。無給だが、勤続5年以上の社員が1~6カ月間、何度でも取得できる。
飲食店情報サイト運営のぐるなびが2015年に導入したのは、3日間の“プチ”休暇制度だ。同社人事グループの冨士越あゆみさん(40)は「人手不足の中、長期間休むところまでは行き着けない。引き継ぎも重くなり、腰が上がらないと考えた」と背景を明かす。同社事業開発部の野澤晋さん(32)は15年春、職場の同期と休暇を取り沖縄へ。仕事の悩みを語り合い、沖縄の食文化や観光インフラに刺激を受けたという。当時は営業所長を務め、休みにくい立場。「送り出してくれた同僚に感謝し、仕事で返そうという気持ちになった」と振り返る。
同社では、制度導入前は「3日も休めない」など否定的な声もあったが、今は年間100人前後が取得。職場も「休むときは休もう」と意識が変わったという。現状は勤続5年時に付与されるが、制度を充実させることも検討している。