ワークスタイル最前線
会社と「つながらない権利」注目 国内導入も定義の明確化課題
休みに入る1週間前から、顧客とのメールの宛先に同僚を加え、情報を共有。期間中、会社メールの送受信は同僚に託し、社用のスマートフォンは日本に置いていった。「1年に1度仕事のことを全て忘れ、リフレッシュできる機会」と話す。
広報担当者は「連絡が取れないので、同僚に迷惑をかけないよう念入りに業務内容を伝えている。部署異動の際も引き継ぎがスムーズ」と語る。
欧州では以前からこうした権利の必要性が指摘されていた。フランスでは、17年から従業員50人以上の会社を対象に、勤務時間外のメールの扱いなどつながらない権利の在り方を労使で協議するよう義務付けている。ただ罰則がなく、完全実現には時間がかかると言われている。イタリアも同様に法制化されている。
三菱ふそうトラック・バス(川崎市)は休暇中の社員にメールを送ると、自動的に削除され、休暇後に送り直すよう求める機能を14年に導入。親会社のダイムラー(ドイツ)に合わせた措置。広報担当者は「選択肢としてつながらない権利を認めている。今はまだ利用者が少ない」と話す。
日本大の神尾真知子教授(労働法)は「日本ではつながらない権利の定義を明確に示すことは難しいが、長時間勤務を防ぐ意味もあり、労働時間の管理の観点から議論する必要があるだろう」と指摘している。