「CAN」については「見極める・開発する」
次に、「できること(CAN)」についてです。これは上司の皆さんは、執拗に(笑)部下の力量を見定めていらっしゃることと思います。ただ、2つ問題が内在していることが多いです。
一つは、上司の勝手解釈や偏見が入っていることが少なくないこと。「あいつは、これくらいの力量だ」「彼はこれは得意だが、あれは苦手だ」。もちろん上司として正確に、客観的に観れていることは多いと思いますが、もしかしたらこちらの主観や偏った評価をしているかもしれないという気持ちは捨ててはいけませんよね。
もう一つは、本人の自覚と他者評価がズレていることはかなり多いということ。「自分はこれができます」を上司のあなたが聞き、「ええ?」と驚くこともあるでしょう。上司としては100できて<できる>なのに、当人は50で十分と思っている、「もう少し<できる>の水準をあげようよ…」など。
このためにもWCMシートのような形でしっかりと、自己評価を棚卸ししてもらい言語化させ、すり合わせることが大事なのです。
リクルートのWCMシートでは、CANについては「活かしたい強み」と共に「克服したい課題」も挙げることになっています。そしてその克服したい課題をクリアするための能力開発テーマを決め具体的な行動計画を立てます(それを半期で達成しにいきます)。
CANというと今できること(だけ)を見がちですが、人材開発視点で本人が「これから何ができるようになっていきたいか」と上司から見て「これから何ができるようになっていって欲しいか」を接合させることこそ、非常に重要です。
CAN=能力・スキル・専門性は、一つには上司として会社としてしっかり当人のCANを確認し見極めるべきものであり、かつ、今後に向けて開発していけるようセットアップしてあげるべきものなのです。
またCANは、採用時にはしっかりアセスメントし、エントリーマネジメントすべきものです。パーフェクトな状態である必要はない(パーフェクトな状態の人材を採用できるケースは稀である)ものの、わが社が必要とする人材要件としてのベースのCANを満たしていない人を採用してしまったら、入社後にいくらCANを伸ばそうとしても難しい。採用の失敗は教育では取り返せない、のです。
今回の社長を目指す法則・方程式:
「三つの輪」