「“まな板に載った”のは19年前」 化学賞受賞・吉野彰さんインタビュー
--どうして今回、受賞できたと思うか
「いわゆる授賞理由からいくと、やはり環境問題が相当、表に出てきた。これが一番大きかったと思う。さっき言ったように、ITだけだったらもらえていなかったと思う」
--受賞に値する研究成果を出すことができた理由は
「いろいろあるが、いわゆる個人的な研究者としての力というか、それは当然必要なのだが、やはり旭化成という材料メーカーにいたというのが一番大きかったような気がする。正極にしても、負極にしても、やはり素材。素材を開発する力がないとなかなか難しい。昔のいわゆる組み立て産業というのは材料、部材、部品を集めて、ただ組み立てるだけ。これはやはり中国、韓国にやられてもしようがない。素材の開発力があるかどうかで、新しいモノが生まれるかどうかは決まってくると思う。そういった意味で、旭化成という材料メーカーの中で電池という一つの製品の開発をやっていた、というのが一番大きい理由だろう」
--賞金は何に使うか
「基本的には、これは続けていきたいと思うのだが、以前にいろんな賞をもらって、いろんな賞金もいただいていて、実は今、日本化学会で研究基金をつくっている。これがちょうど6年目を迎えるのか、ちょうど変わり目の時期なので、今回のお金も一部を当然そちらの方に入れて、基金を継続していく」
--若手研究者の育成に
「そうだ」
--個人で何かに使うことは
「それはない。あまりぜいたくをする方でもないし」
--いつごろからプロ野球の阪神タイガースのファンなのか
「私は大阪生まれだし、ちょうど大阪の千里山の関西大学が家のすぐ近くにあり、(野球部で)村山実(元阪神タイガース投手、監督)がちょうど私の子供の頃に投げていた。キャッチャーが上田(利治・元阪急ブレーブス監督)だったかな。そういうこともあってね」
--阪神タイガースのどういうところが好きか。全部か
「それもあるし、一度だけ本物の甲子園球場のネット裏で巨人戦を見たことがある。5、6年前かな」
--どうだったか
「やはり地響きというか、あれは感動する(笑)」
--今年の阪神に一言
「よう頑張ったから、せいぜい最後まで行って、『ああ、もうちょっとやったなあ』ぐらいまでは行ってほしい」
--日本一は
「それはちょっとできすぎ(笑)」
--とりあえずクライマックスシリーズにと
「あれは立派だった。あそこまで行ったのは」
--今晩はこれから何か食べたいか
「ビールが飲みたい。早く」
--みんなで乾杯か
「いや、1人で乾杯(笑)」