弊社はまだ30名ほどの組織です。1人の入社が与えるインパクトも小さくありません。彼は自分のチームだけでなく、他の部署の人とも積極的にコミュニケーションをとり、会社全体の今の状況を把握し、刺激を与える部分とそのままの雰囲気を生かす部分を踏まえて動いているように見えました。言葉で表現しなくてもそういう動きは会社全体に伝わるものなんだと思いました。
話を聞く・受け入れる・意見する
(1)相手の話を聞く(2)受け入れる(2)意見を言う…この3つができる人は意外に少ない印象があります。ついつい「自分はこんなに頑張っている」「それは自分の仕事じゃない・せいじゃない」と主張し、意見すべき相手に意見せず、外で不満を漏らす。こんな経験、誰しも若い頃に一度はしたことがあるのではないでしょうか。逆にマネジメントする側になってからも、こういった部下に手を焼いた経験もあるのではないでしょうか。頭ではわかっていても、なかなか実行できないのがこの3つなのです。
例の彼について、上司・部下とのやり取りを観察していて、この3つのスキルを持ち合わせていることに気付きました。
どれかひとつだけができている人はいても、このすべてをバランスよく持ち合わせている人は意外と少ないです。
特に「受け入れる」。これが一番難しいように思いますし、重要に思います。ビジネスにおいて、相手が思うように動いてくれない時や考えに同意してくれないシーンは少なくありません。そういう時に、相手が自分の意に反した言動をとる理由を受け入れる。状態を改善するには相手の意見を受け入れた上で話をする。お互いがそうすれば、「ちゃんと自分を理解しようとしてくれた上で意見しているんだ」という印象を与えることができ、平行線をたどることを回避できると思います。
ベースにあるのは「好意」と「自信」
相手とイメージ通りのコミュニケーションが取れる人を体現するわが社の「モテ男」の特徴を3つお伝えしました。そして、総じて共通するスタンスは、相手に対して「好意的である」ということです。好意的という感情がベースにないと、「偉そう」や「八方美人」という印象を与えてしまうと思います。そして、彼のこういった立ち振る舞いは、自信から来るものだと私は思います。自信がないとどうしてもブレてしまいがちですし、自分の意見を伝えることに躊躇してしまうと思います。
社内のメンバーから「彼のような大人になりたい!」という発言が聞こえた時に、私は改めて会社の成長を感じることができました。
【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。アーカイブはこちら