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吉野彰さん「研究開発の終着点」 ノーベル賞の授賞式へ出発

 今年のノーベル化学賞を受賞する旭化成名誉フェローの吉野彰さん(71)が5日午前、授賞式が開かれるストックホルムへの出発を前に成田空港で会見し、「緊張はない。ふわっと空に浮かんでいるような感じ」と笑顔で心境を語った。

 一番楽しみにしているのは8日の記念講演。授賞理由となったリチウムイオン電池の開発に関連して「環境問題に答えの道筋があると、世界にメッセージを送りたい」と話した。

 授賞式の位置付けを「製品が出て世の中、世界が変わる。そして今回の受賞がある。研究開発のフルコースの終着点のような気がする」と表現。「小さなお子さんの励みになり、将来何になりたいかと考えることにつながれば」と話した。

 滞在は14日までの予定で、授賞式のほか記者会見や晩餐(ばんさん)会など多忙な日程が組まれている。受賞者が恒例で行うノーベル博物館のカフェの椅子へのサインは練習済みという。舞踏会は「歴代受賞者から、出席しなくていいと聞き、ほっとした」と、参加を見送る。

 同行する妻の久美子さん(71)は「ちゃんと寝てくれるかどうか」と体調を気遣った。

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