ビジネスパーソン大航海時代

駐車場の新時代を切り拓く“パーキング王子”~航海(16)

小原聖誉
小原聖誉

 「まず父は、私が小さい時に“能力がないと継がせない”と言っていました。ですから私は父の会社を継げると全く考えていませんでした」

 今のシード社はお父様の会社ではないのですか?

 「はい、別です。私が作った会社です。父を超えたいと思い、大学3年生の時に起業しました。最初は大学生が思いつきそうな街コンなど様々な事業を手掛け、自分の給与も抑えて3期連続黒字で経営をしました。銀行から融資を受けるためには必要なことだと考えたためです。そして3500万円を借りて新規事業をしようと決めました。そこでうまれたのがスマートパーキングでした」

 なぜスマートパーキングを新規事業として選んだのでしょうか?

 「父はコイン駐車場業界でトップ10に入る規模の経営者なのですが、私の会社が父の会社の事業を手伝う機会があったからです。最初はなんとなく関わっていたのですが、手伝っていくうちに非常に効率化が遅れている業界だと理解が進みました。コインパーキングや月極など駐車場全体の市場規模は非常に大きいのですが、例えばいまだに現金支払いが基本になっています。デジタルに明るい20代の自分が勝負するには良い市場だと賭けたのです」

 なるほど。スマートパーキングは駐車場関連の仕事をきっかけに思いついたということなのですね。

 「まさにそうです。スマートパーキングをリリースして2週間経ってから初めて父に見せたくらい、最初父は関連を持っていませんでした」

 お見せして反応はいかがでしたか?

 「思いのほか良かったです。“これは便利だ。このデザインは年長者でも使えそうだ。”という感じでした。 父であるという前に、駐車場会社の経営者から反応が良かったということは自信につながりました」

 そこからお父様との協力がはじまるのですね。

 「はい。私のスマートパーキングは駐車場を提供してくださるオーナー様と駐車場を使うユーザー様の両方が揃っていないと成立しません。起業当初は、父を超えるために父の力を一切借りないと決めていたのですが、父はすでに駐車場を一定規模押さえています。そこで、父の持つ駐車場のうち100カ所をスマートパーキングに対応してもらうように依頼をしました。これは大きいことでした」

 なるほど。どのようにご自身の気持ちの整理をつけたのでしょうか。

 「はい、父の力を借りて、父の会社の10倍の規模にすると決めました。同じ規模であれば超えたとは言えません。負けているくらいでしょう。しかし、10倍だったら父を超えたと言えると思います」

 わかりやすいですね。現在のところその目標に向けて順調のようですね。

 「まだそうとは言いたくありませんが、最初の父の駐車場100カ所から、3年半で5000カ所になっています」

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