働き方

中小企業にも残業上限規制 働き方改革あすから新制度

 4月1日から企業の働き方改革などに関する新制度がスタートし、労働者の環境整備が進む一方、娯楽施設の入場料や一部の食料品などが値上げされる。新型コロナウイルスの感染が広がる中、制度変更が経済活動や家計に想定以上の悪影響を与える恐れもあり、注視が必要だ。

 働き方改革に関しては、仕事内容が同じで能力や成果も同じなら、非正規社員か正社員かにかかわらず賃金や交通費などの手当、休暇などを同じにする「同一労働同一賃金」が大企業に義務付けられる。大企業で昨年から始まった時間外労働(残業)の上限規制が中小企業でも導入される。

 新型コロナの流行に伴い、テレワーク(在宅勤務)を導入する企業が増えるが、テレワークは労働時間の把握が難しく、長時間労働につながるとの指摘も根強い。人手不足感が強い中小では、残業で人手不足を補う企業も多いとされ、上限規制が業績に与える影響が懸念される。

 暮らしにかかわる分野では、施設利用料や食料品などの値上げも目立つ。

 東京ディズニーランドと東京ディズニーシーでは一部のチケット料金を値上げする。1日パスポートの大人料金は現行よりも700円高い8200円。新型コロナの影響で両施設とも休業中だが、営業再開とともに新料金が適用される。

 日清オイリオグループは家庭用食用油約20品目などの出荷価格を4月1日納品分から1キロ当たり20円以上引き上げる。搾油コストの上昇などが理由。マルハニチロも昨年の記録的なサンマ不漁を受け、サンマの缶詰9品目を1缶当たり10円値上げする。外出自粛などで備蓄需要が高まる中、家計を圧迫しそうだ。

 企業活動をめぐっては、鉄鋼最大手の日本製鉄が子会社の日鉄日新製鋼を吸収合併する。鉄鋼製品の市況悪化や原料価格の高止まりで事業環境は悪化しており、生き残りに向けた取り組みを本格化させる。改正健康増進法の全面施行で、飲食店や事務所などが原則禁煙になるほか、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTの機器に不正アクセスを防ぐ機能を設けることも義務付けられる。

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