「ク〇は起きるものだ」
「Shit Happens」=「ク〇は起きるものだ=人生に不幸はつきものだ」。
「まあこんなこともあるさ」というような感じの英語の表現ながら、オランダ人が好んで日常的に使う表現だが、筆者が毎度びっくりさせられるのはそのカバー範囲。「会社が倒産した」「身内が亡くなった」「長年連れ添った妻に暴力を振るわれて離婚した」というようなケースまでこれで片付けてしまっている場面を見たことがある。嘆いても仕方ないこととは言え、あっさり片付けすぎではないだろうか。しかし、これくらいの方が精神衛生上は望ましいのかもしれない。
「蟻○ァッカー」
きわどい言葉が続いて申し訳ないが、次なるお気に入りイディオムは「Miereneuker」。
直訳はズバリ放送禁止用語の入った「蟻(あり)○ァッカー」=蟻と性交渉をする人、である。
意味は日本語で言うなら「重箱の隅をつつく人」。オランダ人はネチネチと細かいことを気にする人をこう呼んでバッサリ切り捨てる。些細なことを気に病んでいたら人生が無駄に大変になるからだ。もしあなたが不幸にもそのタイプの上司にあたってしまったりしたら、心の中でこう呼んで気分だけでも距離を保とう。
「今に屁を嗅がせてやる」
立て続けにお食事中の方はすみません。いわゆる「いつか見返してやる」は、オランダ語で Ik zal hem een poepie laten ruiken =「今に屁を嗅がせてやる」である。
まあその、「見返してやる!」という気分の時は、「今に目にもの見せてやる!」よりも、「今に屁ぇ嗅がせてやる!」の方が、相手方のダメージが鮮烈にイメージされてワクワクしないだろうか。ダメだろうか。
「天使が舌に小用を足しているかのよう」
とはいえ人間、そんなに前向き(?)に頑張る気分になれない時だって多々あるだろう。そんな時はあがいても仕方がない。おいしいものでも食べて、お疲れの心に栄養をあげよう。それがものすごくおいしくて天国が見えてしまったら、Alsof er een engeltje over mijn tong piest!=「まるで天使が舌に(小)をかけているようだ!」と叫ぶのをお忘れなく。
「ベッドから降りる脚を間違えた」
それでもそれでも人間だもの、細かい上司を蟻の夜のお相手呼ばわりしようが、今に屁を嗅がせてやると心に決めようが、天使が舌にションベン引っかけに来ようが、どうにもこうにも気分が乗らない時はある。これといった理由も解決策も見当たらないけれど、とにかくイライラと気分がよろしくない。そんな時オランダ人は、Ik heb met het verkeerde been uit bed gestapt =「今日はベッドから降りる脚を間違えたんだ」と言う。そんな日は頑張ってもいいことはない。朝ベッドから降りた時に使った脚のせいにして、早く寝てしまおう。そして明日はもう一方の脚でベッドから降りてみよう。違う脚で始めた一日は、何かが違ってくるかもしれない。
それではまた次回、オイオイ!(オランダ南部弁で『またね』)。(ステレンフェルト幸子/5時から作家塾(R))