社長を目指す方程式

ウィズコロナ時代のオンラインワークは「説明力」で勝負

井上和幸
井上和幸

 《今回の社長を目指す法則・方程式:齋藤孝教授「説明力=時間感覚+要約力+例示力」》

 緊急事態宣言が全面解除され、経済活動が再開されつつあります。しかし一方では多くの国・地域において第2波や感染拡大が見られる地域もまだまだ少なくなく、どうやら私たちはこのまま新型コロナと共生していく「ウィズコロナ」の生活や働き方が必須となってきました。

 ウィズコロナが私たちの働き方に及ぼす影響の中でも最大のものと言えば、やはりオンラインワークでしょう。皆さんも既にZoomなどによるオンライン会議、オンライン商談を導入されていたり、これまで以上にメールやSNSを経由しての社内外のやり取りを活発にされていらっしゃるのではないでしょうか。SlackやChatworkを導入してのオンラインプロジェクト業務コミュニケーションをされていらっしゃるかもしれません。

 転職活動をされていらっしゃる方は、3月下旬以降ほとんどの面接がビデオ面接となっていると思います。研修や外部セミナー、法人向けのイベントなども、新型コロナ流行初期の中止・延期から、今では多くがオンラインでの開催へとスイッチしてきています。

 このように上司の皆さんを取り巻く仕事環境、ビジネス環境は、すべからくオンラインベースとなりました。上司の皆さんがこうしたオンラインワークでマネジメント力や経営層への説得力を発揮するために、これまで以上に問われるのが「説明力」です。あ・うんでは済まない、オンラインワークでの説明力。どのように上げたら良いでしょう?

 「時間感覚」とは、持ち時間で話せる力

 そもそも、オンライン・デジタル以前から、私たちはビジネスにおいて説明力を常に問われ続けています。日々の業務指示、会議の進行、説明資料、クライアントへの提案など、あらゆる場面で私たちは「説明」しながら仕事を進めています。それくらい必須で重要なものであるのに、私たちは学校で「説明力」について学ぶことなく社会に出て、<なんとなく説明する>ことに慣れきっています。ですから、時折、<とても分かりやすい説明><惹きつけられる説明>をする人に出逢うと、「おお、すごい!」と感動、感服します。その差はいったい、どこにあるのでしょう?

 明治大学教授でTVコメンテーターとしても活躍中の齋藤孝氏は、説明力とは「時間感覚+要約力+例示力」だと解説しています。伝える相手の時間を大切にし、伝えたい内容の本質を正しくつかみ、受け手が理解しやすい表現で伝える。これこそが説明力である、と。全く同意です。

 「時間感覚」とは、TPOに合わせた“持ち時間”で話せる力を指しています。オンライン会議でだらだら話すのは、リアルの場以上にご法度ですよね。画面を見ている聞き手のイライラは、あなたも経験があるのではないでしょうか? オフラインの場に比べて画面に集中してしまう分、冗長さは目立ちます。「あー」「えー」などの擬音を発しすぎたり、逆に自信なさげにボソボソ話されても、聞きにくいことこの上ありません。セミナーや大勢に向けてのプレゼンテーションの参加者だったら、「これはかなわない…」とそそくさと退出してしまうかもしれませんね。

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