働き方ラボ

テレワーク時代の服装問題 何を着るべき、どこまで崩せる? ポイントは3つ

常見陽平
常見陽平

 アナタは自分の服装を説明できるか

 その上で、このハイブリッドな働き方をする時代に何を着るべきか。つきつめると、ポイントは3つだ。ビジネスの相手を不愉快にしない服、自分らしさを発揮し信頼を勝ち取ることができる服、自分の身を守る服である。さらに「自分の服装を説明できること」ということに尽きるだろう。服装を規定するものは、実は会社のルールというよりも、ビジネスの相手である。いかにもクリエイター集団に見える広告代理店でも、取引先がどの企業かによって服装は変わる。メガバンク担当なら、いまだにダークスーツだし、ファストファッション担当は、その企業の服に身を包んでいる。誰と接するか、その人にどう思われたいかを基準に考えたい。

 一方で自分らしさは必要である。これを放棄すると居心地が悪いからだ。相手にも認知されにくい。先ほどの鉄則と矛盾するかもしれないが、その業界・企業・職種「らしくない」格好で自分をブランディングするという手もある。私も会社員時代は茶髪で営業をしていたこともあったし、今は金髪に近い茶髪、長髪でシルバーアクセサリーを身にまとっているので大学の教員っぽくないとよく言われる。自分自身、ファッションの参考にするのはロックミュージシャン、プロレスラー、さらには『CROWS』『WORST』などのヤンキー漫画だ。あえて「チャラい」格好をして、真面目な話をするというのが私のやり方だ。政治家と共演する際や、官庁や自治体関連の仕事をするときほど「チャラい」格好をすることにしている。相手を驚かせるためだ。しかし、根底に仕事を通じてやり遂げたいことがあるということを確認しておきたい。

 そして、自分の健康を守るということを今年は強く意識したい。新型コロナウイルス感染や人にうつすリスクもそうだが、熱中症リスク、そしてエアコンリスクにも対応しなくてはならないのだ。涼しい格好をしつつ、エアコンの冷風から身を守らなくてはならない。

 ジャケットと高級Tシャツ

 ちなみに、私が実践している、夏を快適に働くためのコツは、「ジャケット」と「高いTシャツ」の活用だ。外出時も、在宅でオンライン会議をする際も、ジャケットを羽織ると、それなりにかっちり見えるし、温度調整もしやすい。これを高級感、フォーマル感のあるTシャツの上に着ると、むしろクールビズを実践している人よりも、かっちりと見える。外を移動するときは涼しくて快適そのものだ。

 なお、私は「制服」として紺のジャケットを、ほぼ同じ形で、素材違い、メーカー違いで4着持っている。黒ではなく紺なので、若々しく見えるし、とはいえフォーマル感もある。同じく「制服」としてブランドものの1着1万円を超えるTシャツを大量に保有している。一見すると贅沢だが、ちゃんとかっちりしていて、涼しいものを極めると「高級Tシャツ」こそ最強であるという結論に達した。

 今年はバーゲンが前倒しで開催されている。この時期に、ぜひ、ジャケットと高級Tシャツの、しかも流行に関係ないベーシックなものを仕入れてほしい。これぞ快適かつ、相手の信頼を勝ち得るアイテムである。

 毎年、この時期になると、半袖ワイシャツに黒いパンツという、まるで中学校の制服のようなクールビズ軍団が跋扈するのが気になっていたが、ファッションの悩みはますます増すことだろう。信頼、自分らしさ、健康、この切り口で自分流のウィズコロナのビジネスにおけるファッションを考えよう。

常見陽平(つねみ・ようへい)
常見陽平(つねみ・ようへい) 千葉商科大学国際教養学部准教授
働き方評論家 いしかわUIターン応援団長
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部准教授。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演に没頭中。主な著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など。

【働き方ラボ】は働き方評論家の常見陽平さんが「仕事・キャリア」をテーマに、上昇志向のビジネスパーソンが今の時代を生き抜くために必要な知識やテクニックを紹介する連載コラムです。更新は原則隔週木曜日。アーカイブはこちら

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