社会・その他

コロナで大打撃の「うちわ」 逆転の7万本プロジェクト

 金毘羅参りの土産物

 市産業観光課によると、丸亀では江戸時代に金毘羅参りの土産物としてうちわ作りが始まった。参拝客がうちわを持ち帰り、全国的に知られるようになった。丸亀藩が武士の内職として製作を奨励し、産業として根付いたという。

 かつては職人が手作業で仕上げる竹うちわがメインだったが、機械化が進むにつれ、大量生産が可能なポリうちわが主流になった。

 現在も同市や周辺自治体には製造業者が集中し、同連合会には約30業者が加盟。年間の生産量は8千万~9千万本に上り、その大半をポリうちわが占める。

 地元の丸亀港近くには、国の伝統的工芸品に指定された丸亀うちわの歴史を伝える「うちわの港ミュージアム」がある。連合会が講座を開いて、受講生にうちわ作りの工程を指導。職人や後継者の育成を目指している。丸亀城内にある観光案内所の工房では、講座の修了者らがうちわ作りの実演を披露している。

 そんな一大産地が見舞われた逆風だが、市が打ち出した今回の取り組みは、広報ツールとしてのうちわがあらためて脚光を浴びる機会になった。イベントなどで配布されれば、丸亀うちわのPRにもつながる。7万本は各社で手分けして製造する予定といい、山田会長は「涼を感じてもらうとともに、うちわの良さを見直してもらえたら」と期待する。

 同市は、今回製作した新しい生活様式を周知するうちわ計2万5千本を、祭りやイベントを主催する50団体に無料で提供する。

 はがきに、代表者の住所▽氏名▽電話番号-と、まつりやイベントの名称▽規模(人数など)▽概要(内容)-を記入。「〒763-0042 香川県丸亀市港町307の15、県うちわ協同組合連合会コロナ予防うちわ係」宛に申し込む。31日まで。応募多数の場合は抽選。8月上旬に発送する。

 問い合わせは県うちわ協同組合連合会コロナ予防うちわ係(0877・24・7055)。

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