働き方
ITベンチャーが在宅勤務の課題にスピード対処 リモート懇親会に手当も
適正なオフィス規模は
新たなオフィスのあり方を探る動きも出ている。
フェンリル(大阪市北区)は今春入社の新人26人の研修はすべてオンラインで行い、従業員約400人全員を在宅勤務とした。在宅勤務の環境を整える補助制度を設ける一方で、時差出勤を取り入れるなどし、状況を見つつ態勢を変えている。
「どんなオフィスが良いのか考えている段階。増床する計画があったが、ストップしている」(広報の藤本陽子氏)という。
CI(大阪市西区)も全面在宅勤務に移行したが「オフィスを手放すつもりはないし、縮小もしない」(コミュニケーションデザイン部マネジャーの谷本達也氏)。
社員によっては自宅に十分な作業スペースがないという切実な問題があり、「いつまでもダイニングテーブルで仕事を続けてもらうわけにはいかない」。
同社では、定期的に業務時間内に集まって顔を合わせることにしている。メインは雑談だ。7月はオンラインでの会合となったが「ミーティングが終われば、みんなで食事へ」という段取りで、「どんな場所にいてもつながっている働き方」を模索している。
在宅勤務を支援する仕組みが充実すれば「地方在住の優秀な人材を確保できる」(Chatwork広報部マネジャーの山田葉月氏)可能性が高まるし、「かつての通勤時間を自分の成長に生かすための勉強に使える」(CIの谷本氏)など、お金に換算できない価値も生まれる。
オフィスのあり方を含め、ベンチャーがより良い形で在宅勤務をどう進めるかは、今後、大手企業の手本にもなりそうだ。