CAのここだけの話

機内に漂う緊張感 香港でCAとして働く中で感じること

上杉梨菜
上杉梨菜

 また感染者が特に多い国へフライトをする際はフェイスシールドや目を保護するゴーグルを着用する場合もあります。ご搭乗されるお客様も最近では、フェイスシールドや防護服、ゴム手袋、マスクなど対策をしっかりしてご搭乗される方が増え、機内の中は以前と比べて少し緊張感が漂っています。

 機内サービスもカートでのカップでお渡しするドリンクサービスを中止し、お客様おひとりずつにペットボトルでお飲み物を提供したり、お食事もメインのチョイスをなくし、サンドイッチやクッキーが入ったスナックBOXに統一し提供するなど、なるべく対面を減らすよう一部サービスも変更されました。

“第2波”未然に防ぎ日常を取り戻しつつある香港

 香港国内では、4月から6月頃まで感染者が0人の日もあり減少傾向でしたが、7月に入り感染者が急増。一日の感染者が100人を超える日もありました。そのため、香港政府は飲食店の営業時間の規制(午後9時から翌午前5時の店内飲食禁止、1卓2人まで)、屋外でのマスク着用義務、バーやカラオケの営業停止、公共の場では2人までなど、様々な防疫措置を発表しました。その厳しい措置のおかげか、8月末頃から9月現在は感染者が1桁台へと減少しました。また9月1日より、希望した市民全員に無料でPCR検査を行うなどコロナ対策により力を入れています。

 感染者の減少傾向を受け、9月4日より措置の内容を一部緩和したり、学校においても対面授業を再開する予定である旨を発表しており、少しずつですが日常が戻ってきているという印象です。(※9月中旬現在の状況です)

 コロナの影響により、航空業界、香港国内でも以前と比べて様々な変化がありました。

 いつコロナが収束するのかわからない状況ではありますが、希望を捨てることなく、日常の生活が戻り、いつかまた皆さまが自由に世界中へ旅行できる日が来ることを願って、私たち客室乗務員も前向きに過ごしていきたいと思います。

 皆さまに早く機上でお目にかかれますよう祈っております!

東南アジアの航空会社で3年勤務後、香港の航空会社に転職し現在航空会社勤務5年目。大学在学中アメリカへ1年間留学。もっと世界を見てまわりたいと客室乗務員を志す。最近は中国語を勉強し始め、中国からのお客様に中国語で接客ができるようになるのが目標。

【CAのここだけの話】はAirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。アーカイブはこちら

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