当社のSIGNATE Questが、実践的なケーススタディの形式で学べるようになっているのは、ここに理由があります。講座を通じて擬似的に課題解決に取り組んでもらうことで、ビジネスの現場でAI開発に取り組む際にヒントとなる経験を身に付けてほしいのです。
難解な分野だからこそ、少しの経験がアドバンテージに
ケーススタディを通して作り方を学んだら、次はあなたが勤める会社の課題を解いてみてください。例えば小売り企業なら、実際の会社の商品のデータで売上予測をしてみる。それがうまくいけば、AIに関する知識は、立派なビジネス上のスキルになります。
もし、社内に使えるようなデータがなかったとしても、それはそれで自社が抱える大きな問題に気付いたことになります。そのときあなたは、AI開発者やデータサイエンティストの目線で社内の課題を見つめているのです。
私は、教育とはあくまで「きっかけづくり」にすぎないと思います。
企業研修で講師をするときも、1から10まで説明しようとすると、かえってうまくいきません。参加者の「やらされている感」が抜けないからです。
そういうときはいきなりコンペをやってもらいます。理解してもらうよりも先にAIを作ってもらい、分析や予測の精度を競ってもらいます。
私はやり方だけ教えて、「1週間後に結果を発表してください」とあえて放置します。すると、当初はやる気がなかった参加者が、次第に前のめりに開発に取り組んでくれるようになります。もちろん、ところどころサポートはしますが、手取り足取り教えられないことで、自分の力でAIを作っているのだという実感が得られ、本人のやる気につながります。
それにAIに限ったことではないですが、分からなかったことが分かるようになったり、ゼロからものを作ったりできるようになるのは、誰にとっても楽しい経験なのだと思います。教育する側ができることは、その楽しさで、最初の一歩を後押しすることです。
だからこそ、みなさんには「AIは難しい」と身構えずに、ぜひ気軽に開発に挑戦してみてほしいと思います。
本気でAIエンジニアを目指している人はともかく、「AIとはどんなものか知りたい」くらいならば、基礎の基礎ができるようになるだけでも、ビジネス上のアドバンテージになります。とかく難解だと思われている分野だからこそ、経験ゼロの人と、少しでも体験したことがある人には、雲泥の差が生まれるのです。
【仕事で使えるAIリテラシー】は、AI開発、AI人材の育成・採用を手がけるSIGNATEのデータサイエンティスト・高田朋貴さんが、ビジネスパーソンとしてAIを正しく理解し、活用する方法を解説します。アーカイブはこちら