コロナウイルスの影響で仕事が減ってしまった人の中にも「変わらなければならない時期だ」と前向きに考えを巡らす人もいれば、「飲食ばかりが補償をされて不公平だ」など不満に思うばかりの人もいます。もし不安、怒りなどの感情が大きくなってしまった場合には、物事の捉え方を変える練習をしてみてください。ポジティブな側面に心から同意できなくても、違う捉え方ができる経験をすることで、少し心が軽くなると思います。
もし、皆さんの周りにネガティブな捉え方ばかりする人がいる場合、長時間話を聞かされることによって疲弊してしまうことがあるかも知れません。そのような場合には、トイレに立つなど物理的に距離をとって、戻ったときに話題を変えるようにしてみてください。考えることが必要な質問を振ることで代替思考をしてもらうことができます。
変化の激しい今 お勧めの質問は「懐かしい話」
人生の節目、社会の転換期など、急激な変化が起きるタイミングでは、過去を懐かしむという行動がよく起こります。成人の日には、SNSに自分が子供の頃の写真をアップする人がたくさんいました。緊急事態宣言が出てからは、仲間と集まっていた頃の写真や過去の旅行先の写真などを目にすることが増えました。
多くの人が変化を経験するタイミングでは「懐かしい話」がお勧めです。ネガティブな捉え方ばかりをしている人に疲れたときには、ぜひ試してみてください。
- 例
- 「ところで最近雨が多いけど、雨の日の懐かしい思い出ってなに?」
懐かしいという感情には、気持ちをポジティブする効果や孤独感を解消する効果も期待できるので(*3)、在宅勤務で孤立していまっている人にもお勧めです。
*1 Wegner, D. M. (1994). Ironic processes of mental control. Psychological review, 101(1), 34.
*2 川瀬隆千. (2000). 感情を語る理由: 人はなぜネガティブな感情を他者に語るのか. 宮崎公立大学人文学部紀要, 7(1), 135-149.
*3 Wildschut,T., Sedikides, C., Arndt, J., & Routledge, C.(2006) Nostalgia:Content, triggers,
【最強のコミュニケーション術】は、コミュニケーション研究家の藤田尚弓さんが、様々なコミュニケーションの場面をテーマに、ビジネスシーンですぐに役立つ行動パターンや言い回しを心理学の理論も参考にしながらご紹介する連載コラムです。更新は原則毎月第1火曜日。アーカイブはこちら