CAのここだけの話

CA内定通知から3週間で中東移住 必死に学んだ訓練生に教官が最後にかけた言葉

森ほなみ
森ほなみ

 SankeiBiz読者のみなさんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第102回は中東系航空会社で日本人CAとして乗務3年目の森ほなみがお送りいたします。

 CAになるための最初の難関は「訓練」です。今回はその訓練において私が苦労した点を、SankeiBiz読者のみなさん、そしてCAを目指すみなさんにご紹介したいと思います。

内定通知からわずか3週間でドバイへ移住

 CA志望者のあいだで内定通知の電話が「ゴールデンコール:GD」と呼ばれているのをご存じでしょうか。私たちはまず、そのゴールデンコールで「内定」の旨を伝えられ、入社日もそこで提示されます。提示された入社日の都合が悪ければ変えてもらうことも可能ですが、私はゴールデンコールから3週間後にドバイへ移住しました。

 入社日に合わせて移住するのですが、たいていはその2日前から前日までに引っ越しを済ませます。日曜日に本社にあるホールで入社式をして、訓練で使う分厚い教科書や訓練中の制服となるポロシャツを数枚受け取ります。そして翌日の月曜日からさっそく訓練が始まるのです。

序盤から徹夜の毎日

 まずは機体の勉強です。航空会社によって使用している旅客機の種類は違いますが、私が勤める航空会社ではB777とA380について学びます。それぞれ1週間ずつ時間が設けられていました。私は、この機体の勉強の段階で既に徹夜生活を送るほどに大変な思いをしていました。毎日深夜まで機体について勉強し、早朝に当日習う範囲を予習する具合です。

 機体の訓練は座学もあれば、皆さんが想像するようなシミュレーターを使った緊急時の対応を学ぶものもあります。習うごとにその範囲のテストがあり、合格するには80%以上のスコアをとらなければなりません。習ったことを復習するために、インストラクター(教官)や同期の前で一人ずつ実演することも多くありました。

同期との助け合い 本当に必要な英語力とは

 もちろん訓練は、すべて英語で行います。私の同期は全員、国籍や第一言語が違うので、授業態度や質問するタイミングが異なり、訓練時からインターナショナルな雰囲気を感じました

 その同期たちとの仲は良好で、訓練の時間以外でも一緒に過ごしました。トレーニングカレッジ(訓練所)か本社のコンピュータールームで勉強をする事が多かったのですが、私に付き合って毎日隣に並んで一緒に勉強してくれたり、分からないことはチャットグループに投稿して全員でカバーし合ったり。

 実演訓練の際、緊張で手順や注意点をド忘れしてしまったら、インストラクターに教わるより先に同期同士で「ここ、こっちだよ!」「そこに手をついてはダメ」と助け合った記憶があります。

 訓練で必要な英語力は、IELTSやTOEICの点数が重要ではなくリスニングやスピーキングといった英語力が重要になるのではないかと個人的に思います。もちろん分厚い教科書を読み切るためにはリーディングも必要ですが、訓練ではインストラクターの話を聞いて理解するだけでひとコマが終わる場合がほとんどで、教科書はクラス終了後に読むためにページに付箋を貼る程度でした。

テストで時間のかかった訓練生に教官がかけた言葉

 機体のテストは同期の誰一人として欠けることなくクリアすることができました。機体の後には薬の知識、ハイジャック時の対処法、サービスなど約2カ月の訓練が待っていました。同期と協力し合って全員で合格し、空を飛べたことが本当に嬉しかったです。

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