「ビジネス視点」で読み解く農業

農業振興の最前線 (1) 「超農力」を生み出し新たな就農者を獲得 宮崎県の取り組み

池本博則
池本博則

■宮崎の農業人材への挑戦

 全国的に少子高齢化・人口減少が進行する中、宮崎県で持続可能な地域づくりの根幹として農林水産業をしっかりと維持し、更に成長させること。それらを命題としたプロジェクトを県と推進する機会を頂戴したのでした。

 宮崎県内の総農家数は年々減少しており、今後、一層加速することが懸念されているとともに、県内の農業法人や法人化を目指す農業者(以下「農業法人等」という)では、作物生産に限らず、農産物加工や販売、経理など多様な分野の人材が求められていますが、優秀な人材が確保できず、規模拡大などが難しい状況です。

 このため、県の食と農に関する情報発信、就農相談会や就農講座等を行うことにより、県内はもとより、首都圏などから幅広い人材を確保して、宮崎の農業の発展に資することを目的とした取り組みを共同で行っています。

 具体的には、宮崎県庁の農業担い手対策課担い手確保担当のみなさまと連携し、「食と農に関する全国への情報発信やPR作成」、「就農相談会や講座の開催」、「就農促進のための情報発信等」をお手伝いし、宮崎県での新規就農者(担い手)を増やすための取り組みを行っています。

 連携して2年が経過していますが、県単体ではリーチできていなかった顕在層や潜在層に対して『マイナビ農業』を介して「宮崎県の魅力」を感じてもらい、宮崎県で新規就農を希望する人材を発掘してきました。

 コロナ禍ではオンライン就農座談会など様々な施策をおこない、宮崎で農業をする魅力を伝えるという役割を担ううちに、就農を促すための素晴らしい宮崎県の体制を垣間見ました。次回ではその様子を詳しくご紹介します。

池本博則(いけもと・ひろのり)
池本博則(いけもと・ひろのり) 株式会社マイナビ 執行役員 農業活性事業部事業部長
徳島県出身。2003年に株式会社マイナビ入社。就職情報事業本部で国内外大手企業の採用活動の支援を担当。17年8月より農業情報総合サイト「マイナビ農業」をスタートし、本格的に新規事業として農業分野に参入。「農業の未来を良くする」というVISIONを掲げ、日々農業に係る全ての人に「楽しい」「便利」「面白い」サービスを提供できる事業の創出のため土いじりから講演活動まで日本全国を奔走中!

【「ビジネス視点」で読み解く農業】「農業」マーケットを如何に採算のとれるビジネスとして捉えていくか-総合農業情報サイト『マイナビ農業』の池本博則氏が様々な取り組みを事例をもとにお伝えしていきます。更新は原則、隔週木曜日です。アーカイブはこちら

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