業務説明の過不足→「『わからない所はある?』と聞かない」
自分が知っていることを、わからない人に説明するというのは難しいものです。思っている以上に具体的に説明するようにしましょう。コミュニケーションで気をつけたいのは「わからない所はある?」という質問です。理解度が足りない場合、わからない部分を認識することができないので「特にありません」という返事をしがちです。質問がないのだから、理解しているのだろうという考えはやめましょう。
逆に余計な情報が多いのも、理解の妨げになります。説明をするときはポイントを3つまでに絞るようにし、それ以上のことについては資料をつけるといった工夫をしましょう。
仕事の成績や進行スピードの遅さ/早さ→「期待値をコントロールする」
私たちは早い遅いというのを相対的に感じています。木曜日までにと約束したものが水曜にもらえれば「早い」と感じますし、金曜日になってしまった場合「遅い」と感じます。進行スピードに関するトラブルについては、期待値をコントロールすることである程度減らすことができるでしょう。逆にこの部分を間違ってしまうと、頑張って早く仕上げているのに「遅い」と感じられてしまうこともあるので注意が必要です。期限に関するコミュニケーションをとる時には、余裕をもった期日を伝えるようにしましょう。
応用として、相手のために早く仕事をしているという印象を持ってもらえるフレーズもご紹介しておきます。
- 《例》
- 「その量でしたら17時くらいまでには仕上がると思うのですが…。お急ぎですよね? 16時くらい仕上げられるよう頑張ります」
期待値コントロールは仕事の成績にも影響します。自分を奮い立たせる意味で、また評価されたいという気持ちから、高すぎる目標を掲げてしまうことがあります。十分に気をつけましょう。
毎日の小さなズレが大きなトラブルに
ご紹介したコミュニケーションのポイントは、いずれもちょっとした違いです。しかし、小さな習慣は人間関係に大きく影響します。職場に求められることの第一位が「職場のコミュニケーションが良好であること/職場の雰囲気がよいこと」であることを忘れずに、ぜひやってみてください。
*1 船木幸弘. (2016). 職場のコミュニケーションの組織マネジメント的検討: 就業意識等の調査結果及び関連事項の先行研究の考察をとおして.
*2 大西勝二. (2002). 職場での対人葛藤発生時における解決目標と方略. 産業・組織心理学研究, 16(1), 23-33.
*3 株式会社アップウェブ 職場で不快に感じた言葉に関するグループインタビュー(2021年実施) オンラインによる聞き取り, 複数回答, 参加者24名(39歳~57歳)
【最強のコミュニケーション術】は、コミュニケーション研究家の藤田尚弓さんが、様々なコミュニケーションの場面をテーマに、ビジネスシーンですぐに役立つ行動パターンや言い回しを心理学の理論も参考にしながらご紹介する連載コラムです。更新は原則毎月第1火曜日。アーカイブはこちら