CAの場合、一般的にシフト表といわれるようなものがありません。乗務スケジュールは個人管理となり同じ社内であってもお互いのフライトスケジュールはわからないのです。
どこの路線が良かった、このホテルの朝食ビュッフェが美味しかったなど、このような話題を持っているクルーはフライト中も大人気です。
心に余裕がある人
私が実際に海外で働くことになって一番重要な素質であると実感したのが、トラブルが起こってもイライラせず冷静に対応できる人です。簡単に言うと【心に余裕がある人】です。
外資系の会社に勤めるということは例外を除いて、海外で生活するということでもあります。携帯電話の手続きや銀行の手続きなど、日本では全てスムーズに問題なく出来ることが当たり前ですが、海外ではそうはいきません。店舗の営業時間も短かったり、スタッフが親切丁寧でないことも。もちろんこのようなことを全てその国の言語で行うので言語の壁もありますよね。
そのような時にイライラせず、楽観的に“今日は解決しなかったけどまた明日来よう”と思えれば何倍も心の持ち用が楽になりストレスになることもありません。
勤務中も同様です。
私が以前中東系の航空会社でCAとして勤務している時のことです。ちょっとした機械トラブルでフライトがキャンセルになり、翌日から取得予定だった有給休暇がずれ、予約していたフライトに間に合わなくなるということがありました。
一緒に乗務していた他のクルーにも同じような状況の人がたくさんいましたが、みんな「仕方ない、ホテルステイをもう一泊楽しもう!」という心持ちの人がほとんどで、不平不満を言う人は一人もいませんでした。このようなクルーのお陰で私もイライラすることが少なくなり、そのフライトを楽しむことができました。
日常生活で議論することが好きな人
日常生活で議論することが好きな人も、外資系CAに向いていると思います。海外では、自分の意見がある=自分を持っていると捉えられるからです。
仕事内だけでなくちょっとした会話でも海外ではよく議論している光景を目にします。議論するというと何だか悪いイメージを持つ人もいると思いますが、これはただお互いに意見を言い合っているのではなく違う考えも取り入れようとしているのです。
外資系の会社では、「こうしたほうがもっと良くなるのではないか」という提案は大歓迎されます。勤務中だけではなくレイオーバー(就航地に宿泊することあるいは宿泊を伴う乗務)でクルー同士で街に出かける際にも、上下関係なくみんな「ここに行きたい!」「このレストランで食べたい!」など自分の希望をはっきり伝えます。ただ上司について行くのではなく、行きたい場所をパイロットやチーフパーサーに伝えるのが日常茶飯事です(笑)
ご紹介したように、日系と外資系では、CAに求められるものが真逆だったりします。CAを志望される方はいくつ当てはまったでしょうか?
【CAのここだけの話】はAirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。アーカイブはこちら