ブランドウォッチング

世界最高峰のPGAツアー、高額協賛の価値 ZOZOチャンピオンシップ

秋月涼佑
秋月涼佑

創業社長ならではの大胆な決断と戦略眼

 それもこれもZOZOという冠スポンサーの英断があっての大会実現でありました。何分アピアランスフィー=出場料だけでも数十万ドル以上が必要なレベルの選手が、ハードな日程の中参加するのも大きな賞金額があればこそ。メジャー大会に準ずる賞金総額995万ドル(約11億円)、優勝賞金179万ドル(約2億円)は何とも豪気です。

 もちろん協賛社は賞金提供にとどまるわけでなく、大会運営費や放送枠など多くのメニューを賄うこととなります。チケット販売収入など収入の部もあるとは言え、巨額の協賛費が必要なことは言うまでもありません。こんな大きな決断を下せる人は創業社長の他なく、大会開催決定の当時ZOZO社長前澤友作氏ならではの判断だったことは間違いありません。

 もちろん大前提として自らもゴルフ好き、シングルハンディと言われるほどのゴルフ競技への理解の深さがあってのことと思われますが、それ以上に最近では「お金配りおじさん」と自称し、時に酔狂にさえ思えるような社会還元のこだわりがベースにあっての決断に違いありません。実際に、この大会が日本のゴルフファンへの大きなプレゼントになっていることは紛れもない事実であるように感じます。

 しかしながらよく見ると、そんな富豪の道楽的な文脈だけでまとめることはかなり不十分で、この大会スポンサードが経営的な戦略眼の上でもかなり鋭いものであると思われるのです。そもそも群雄割拠のファッションECの世界でZOZOがメジャーになったきっかけは、「ユナイテッドアローズ」や「ビームス」など有名どころのセレクトショップが出店したからです。

 そのいきさつを紹介した記事を読んだことがありますが、誰でもできる交渉事ではなかったはず。というか、そもそもEC黎明期と言えそんな大物ブランドに出店交渉しようとさえなかなか考えが及ばないのが普通であるように思います。

 ネット上のショッピングモールでもあるファッションECサイトの価値は、どれだけメジャーな出店者を集められるかで決まります。ちょっと前までは、良くも悪くもインディーズ的なロック感の身近さや文化的親近感でファッションならでは出店者、ファンを集めてきたZOZO。しかしながら、これだけの規模になれば、やはり押しも押されもせぬ王道感が、出店者へのアピールにも必要となってくる段階かと思われます。

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング