フランス系エアラインの定年は何歳? 「延長願い」とは?
私が働いているフランス系エアラインでは、以前は、57歳の誕生日になる前に退職をしなければいけませんでした。現在は、日本の一般企業の定年と同じく、65歳まで乗務できます。ただし57歳以降は毎年、乗務継続をするかどうかの意思を「延長願い」として会社に提出しなければいけません。
フランス人には、「歳を重ねても働きたい!」というよりは「早く定年して毎日バカンスのように過ごしたい!」という人が多い印象です。55歳前後のフランス人同僚に話を聞くと、「まだ子供の学費の支払いがあるから」「まだ年金が満額ではないから」など、定年退職には家庭のお財布事情が大きく影響していることが伺えます。
もちろん、家庭の経済状況、年金の額に関係なく、「やりがいを求めて!」歳を重ねても働きたい人もいますがかなり少数派のようです。65歳まで乗務できますが、実際にその年齢まで乗務する人は、日本人の先輩、そしてフランス人でもかなり稀です。
アメリカ、ヨーロッパ、日本、それぞれの客室乗務員の定年の年齢をみてきましたが、リタイアには国民性、年金制度、法律なども大きく影響しているようです。
「いつまで乗務できるか?」は会社の決まりもありますし、「いつまで乗務したいか?」は個人の想いです。アメリカのように年齢差別を受けず、個人の状況により、乗務生活にいつ終止符を打つか自分で選べるのが理想だなと私は思います。
70代の日本人客室乗務員も存在する日がくる?
日本では2021 年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、70歳までの雇用確保が努力義務化されました。
空の世界、つまり客室乗務員の仕事は時差もありますし、高齢者が働くにはハードな環境ではあります。しかし今、「70代定年」が現実味を帯びてきたわけです。
20年前に私が70代の「ボブじいさん」と機内で働いたように、日本人乗務員のあいだで大先輩と働くことが当たり前になる日も、そんなに遠くないかもしれません。
【CAのここだけの話】はAirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。アーカイブはこちら