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不安がるくせに備えをしていない人がほとんど

 日本人の思考パターンの悪いクセとして「予期不安が強い割にソリューションを求めない」ことが挙げられます。

 悪い結果を想像して不安がりながら、それをどうやって解決するかについては考えようとしないのです。

 たとえば毎年のようにがん検診を受けていても、もし自分ががんだとわかった時に、どこの病院へ行こうかとあらかじめ決めている人はかなりの少数派です。

 あるいは認知症になりたくないと言って一生懸命に脳トレをやっていても、自分が認知症になった時にどこの老人ホームに入ろうと決めている人はいないでしょう。介護保険の使い方もほとんどの人は知りません。

 がんや認知症になったらどうしようという不安は大きいくせに、いざそうなった時の備えをしていないのです。

 しかし、ことわざにも「備えあれば憂いなし」というように、いざという時の解決策を考えておけば予期不安を強くしなくてもいいのです。福島第一原子力発電所の事故の時にしても、絶対に事故は起こらないなどという今にして思えばあまりに非現実的なことを考えていました。そのため、いざ事故が起きた時のマニュアルというものがまったく用意されていませんでした。

感染恐怖のストレスで適応障害になる場合も

 新型コロナにしても、今は予期不安が強いために「感染しないためにはどうしたらいいか」といったことばかりが言われています。しかし、「感染した時にどの程度の医療を受ければいいか」という発想があったならば、自粛、自粛とばかり言わずにもう少し自由な活動ができるのではないでしょうか。あるいは、もっと受け入れ施設を増やすという政策が取れたかもしれません。

 さらに言えば、新型コロナにかかった時のことを考えていないから、「普段から免疫力を上げよう」「免疫力を上げておけばたとえ感染しても重症にはなりにくい」といった発想が出てこないのです。

 ウイルス性の病気はインフルエンザであろうが風邪であろうが自分の免疫力が強ければさほど悪化はしないのです。新型コロナについても普通に考えれば、感染したところで9割の人が無症状なのです。つまり普段から免疫力を上げておけばほぼ平気で済ませられる病気なのです。

 高名な免疫学者の方に聞いた話によると、自粛生活はかえって免疫力を下げることになるそうです。新型コロナにかかったとしても免疫力を上げておけば大丈夫だという発想を持たずに、ただただ「感染してはいけない」と思い込んでしまうと、「目から感染するかもしれないから目もこすれない」「他人が使うものも触れられない」と普段の生活から不安だらけになってしまいます。しかし、感染を恐れるばかりに免疫力まで下げてしまい、かえって重症化しやすくなることもあるのです。

 不安ばかりが膨らんでしまうとそれがストレスとなって、適応障害など精神疾患の要因ともなりかねません。(国際医療福祉大学大学院教授 和田 秀樹)

 和田 秀樹(わだ・ひでき)

 国際医療福祉大学大学院教授

 アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化した「和田秀樹 こころと体のクリニック」院長。1960年6月7日生まれ。東京大学医学部卒業。『受験は要領』(現在はPHPで文庫化)や『公立・私立中堅校から東大に入る本』(大和書房)ほか著書多数。

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