「柔軟な働き方」実現なるか 残業規制・年休義務化・高プロ…4月開始

 
働き方改革関連法の主な内容

 昨年成立した働き方改革関連法のうち、時間外労働(残業)の上限規制や年次有給休暇(年休)の年5日の取得義務化などを盛り込んだ改正法が4月1日に施行される。これまで青天井だった残業に初めて罰則付きの上限が設けられる大きな改正。高収入の一部専門職を労働時間規制や残業代支払いの対象外とする「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」も創設され、働き方改革が本格的に始まる。

 来年4月には正社員と非正規労働者の不合理な待遇格差を認めない「同一労働同一賃金」もスタートする。

 関連法は昨年6月に成立し労働基準法など8本が改正された。政府の基本方針を定めた法律は既に施行されている。

 残業は月45時間、年360時間までが原則となる。繁忙期など特別な事情がある場合でも月100時間未満(休日労働を含む)、2~6カ月の平均で80時間以内(同)、年720時間に制限し、違反企業や労務担当者に6月以下の懲役または30万円以下の罰金を科す。大企業は今年4月、中小企業は2020年4月に施行される。

 年休の取得促進は年10日以上付与されている労働者が対象。うち5日分は本人の希望を踏まえ、企業が時季を指定し与えることが義務化される。終業時刻と次の始業時刻の間に一定の休息時間(勤務間インターバル)を設けることも企業の努力義務となる。

 高プロは、年収1075万円以上の金融商品アナリストや経営コンサルタントなどが対象。労働時間の制限をなくす代わりに年104日以上の休日を企業に義務付けた。政府は「多様で柔軟な働き方が広がる」としているが、過労死遺族らには「長時間労働を助長する」との懸念が根強く残る。

 同一労働同一賃金は、正社員と非正規労働者で仕事内容が同じなら、賃金や休暇といった待遇を同じにするよう企業に義務付ける。労働者から格差の理由説明を求められたら企業は応じなければならない。厚生労働省はガイドラインを作り、どのような場合に問題になるか手当ごとの具体例を盛り込んだ。施行は大企業と派遣会社が20年4月、派遣会社を除く中小企業が21年4月。

【用語解説】働き方改革関連法

 昨年の通常国会で労働基準法など8本の法律を一括して改正した。罰則付きの時間外労働(残業)の上限規制を初めて導入したほか、「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の創設、「同一労働同一賃金」が柱。政府は当初、あらかじめ定めた時間を働いたと見なす「裁量労働制」の対象拡大も盛り込む方針だったが、厚生労働省が法案作成や国会答弁の根拠にしていた労働時間調査に不適切なデータが多数見つかり、野党からの追及も受けて断念した。