【元受付嬢CEOの視線】花粉症の重症患者が伝えたい攻略法 花粉症を制する者はビジネスをも制する

 
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 春といえば桜。お花見という日本ならではの文化を堪能できる素晴らしい季節だと思います。この季節に合わせて訪日する旅行客も多いと耳にするくらいです。しかし、「春が来るのが怖い!」「春なんて来なきゃ良いのに…」と、ここ数年はこの貴重な季節を歓迎できない人が増えてきていると聞きます。その理由はズバリ、花粉症です。

重度の花粉症 早退を余儀なくされることも

 私のスギ花粉症は重症です。「ベテラン」「大御所」の域です(笑) 小学校3年生の時に発症しました。かれこれもう30年近く花粉症と付き合ってきたわけですが、私が発症した当時はまだ花粉症の人は少なく、クラスにも数人いれば多いほうだったと記憶しています。

 しかし今では花粉症という言葉は毎春ニュース番組でもトレンド扱いされるくらい一般的な言葉になってきました。私の周りでも花粉症に悩まされている人が年々増えていることを実感します。

 この花粉症ってやつ、本当に辛いんですよね…。

 私がどれくらい重症かというと…

・毎年花粉症で早退する日がある
・花粉症が原因で発熱する
・病院でステロイドが入った薬を処方してもらう(毎日頓服薬を飲んでいるイメージ)

 これ以外にも挙げるとキリがないくらい花粉症には悩まされていました。

職業柄、花粉にさらされていた毎日

 受付嬢時代も苦労しました。花粉症の方々はたいていマスクをしますよね。しかし、このマスクは受付嬢にとってはタブーなアイテムなんです。会社の顔である受付嬢がマスクで来客を迎えることは失礼に値します。そして、マスクをするとメイクが崩れてしまう。そんな理由から、私はこんなにひどい花粉症にもかかわらず、仕事中にマスクをすることを禁じられてきたのです。

 受付という場所は外から様々なお客様がやってきます。しかも春は「スギ花粉」というお土産付きです(笑) 辛かった…(涙)

 そんなひどい花粉症でありつつも、花粉に接触せざるを得ない仕事をしていた私から、ビジネスマンの方に向けて、花粉症の攻略法をお伝えしたいと思います。

花粉症を制するものはビジネスを制する

 たかが花粉症と侮ることはできません。花粉症は仕事の生産性をかなり下げます。これはきっと花粉症の方ならものすごく共感していただけると思います。

 鼻が詰まり口呼吸になることで頭はぼーっとします。薬を飲むことで症状は緩和されても、副作用で眠気や喉の渇きを催すこともあるため、結局、快適さを得ることはできません。

 マスクで花粉の侵入や付着を予防している方もいると思います。今はマスクをして仕事をすることに対してさほど否定的な意見は出なくなってきていますが、社外の人と接する時にマスクをすることは正直、好印象にはなりません。

 花粉症は春の風物詩だと、その季節だけ我慢すれば良いと考える方もいるかもしれません。しかし12カ月中の2カ月と考えてみてください。1年の6分の1を憂鬱に過ごすとなると話は違います。しかもそれが毎年やってきます。花粉症を制することはビジネスに大きく影響すると思いませんか?

私が本当におすすめできる花粉症の“攻略法”

 では花粉症をどうやって攻略するか。私が実践したもののうち、本当におすすめできる対処法をお伝えします。

1.根気は必要だけど効果は絶大! 舌下免疫療法のススメ

 「舌下免疫療法」。聞いたことある方もいるのではないでしょうか。

 免疫療法とは、アレルゲンを少しずつ体内に吸収させ体質を改善していく療法です。この免疫療法自体は実は100年以上前からあるそうなのですが、薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が一般的でした。しかし近年では、1日1回、スギ花粉エキスを舌の裏に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅でも投薬が可能になったのです。そして、保険適用扱いになったので1カ月2000円程度で続けられます。しかし、少なくとも3年以上継続することが推奨されています。

 では、投与を開始してから3年後にやっと成果が感じられるかというとそうではありません。個人差はありますが、私の場合は投与を開始した年から効果を実感できました。

 これは何を意味するかというと、QOL(クオリティオブライフ)の向上はもちろんですが、服用する薬の量を減らすことに繋がります。女性は妊娠中や授乳中に強い薬を飲むことができませんし、持病の薬との飲み合わせによっては花粉症の服用薬に制限がある方にとっては非常に嬉しい効果だと言えます。

 私は花粉症の人に出会うたびに舌下免疫療法をおすすめしています。3年間頑張れば、一般的には2~10年効果が続くと言われています。(これも個人差があります。)効果の継続期間を考えても決してコスパが悪い治療ではないかと思います。

2.印象まではブロックされない スプレーで「マスク」

 近年はマスクも進化しています。昔は「マスク=白」でしたが、今はファッション性を重視した黒いマスクや、女性ウケを狙ったピンクのマスク、メイクが落ちにくいマスクなんていうのもありますよね。

 私がおすすめなのはスプレータイプの「マスク」です。花粉を寄せ付けない特許を使った商品です。普通のマスクよりおすすめな点は、顔はもちろん、髪にも花粉を寄せ付けないことです。これであれば、ビジネスシーンにおいても、マスクで顔を覆って印象を悪くすることなく花粉の付着や侵入を予防することが可能です。

3.花粉に負けない体づくり 生活のリズムを整える

 免疫力を高めることで花粉症の症状を緩和できると言われています。睡眠不足は免疫やホルモンのバランスを崩しやすくし、また不規則な生活が自律神経のバランスを崩し、アレルゲンに過敏に反応しやすくなるといわれています。免疫力を維持し自律神経のバランスを保つことは花粉症だけでなく、それ以外の病気にも有効ですよね。

 どこか調子が悪いとそれだけでパフォーマンスは下がってしまいます。常に自分のリズムとバランスと向き合い生活をすることで様々な病気の予防にもなります。病気になってしまってから治すのは時間もお金もかかります。できる限り予防したいものです。花粉症を治すのをきっかけに自身の生活スタイルを見つめ直してみることもおすすめです。

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 私はこのようにして、毎年憂鬱で仕方なかった花粉症から解放されつつあります。

 経営者になって、花粉症をマネジメント(管理)することの大切さを切に感じています。会う人みんなにおすすめするのですが、これらの治療や対処法を知らない人がほとんどだったのです。「この快適さを少しでも多くの人に伝えたい!」と思い、今回はビジネスに絡めてお伝えしてみました。これらは、あくまで私個人が効果を実感している対処法で、何事も個人差があります。その点をご留意の上、試してみてください。

 毎年春になるとやって来る花粉症。「いつか大金持ちになって花粉のないところに住んでやる!」と嘆くよりも、まずはできることからやってみませんか? 花粉症を攻略すれば、日本の春を心から満喫し、年度の切り替わりも気持ちよく迎えられるのではないでしょうか。

【プロフィール】橋本真里子(はしもと・まりこ)

ディライテッド株式会社代表取締役CEO

1981年生まれ。三重県鈴鹿市出身。武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。長年の受付業務経験を生かしながら、受付の効率化を目指し、16年にディライテッドを設立。17年に、クラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。

【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。

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